「〜のような」の英語表現といえば主に「Such as」と「Like」が一般的でしょ?でも、この2つには違いがあるのかな?
すごく似ているし、同じように使うことが多いけど、微妙な違いがあるわね。でもおさえるべきポイントは3点だけ。詳しく解説するわね。
「〜のような」の英語表現「Such as」と「Like」の違いとは?
今回は「〜のような」を意味する「Such as」と「Like」の違いについてアメリカ人のルーシーに訊いてみました。
おさえるべきポイントは以下に示す3点です。
「〜のような」の意味での「Such as」と「Like」の相違点3つ
- 「〜のような」が「例えば」を意味するケースでは「Such as」と「Like」は両方使える。
- 「〜のような」が「に似た」を意味するケースでは「Like」のみが使える。
- 1の用法の場合、「Such as」の方がフォーマルに聞こえる。
一口に日本語で「〜のような」といっても、もうちょっと深く考えると主に2つの意味に分かれます。
それは、「例えば」と「〜に似た」です。
「例えば〜のような」とか「まるで〜のような」といいますよね。
このように、「〜のような」は「例えば」を意味する場合と「〜に似た」を意味する場合があるのです。両者の意味は微妙に違います。後で説明します。
「〜のような 」が「例えば」を意味する場合には「Such as」と「Like」は両方使えます。この場合「Such as」は「Like」よりフォーマルに聞こえます。
一方、「〜のような」が「〜に似た」を意味する場合は「Like」のみが使えます。
以下、順に解説するわね。
「〜のような」が「例えば」の意味の場合「Such as」も「Like」も両方使える
「Such as」と「Like」が両方使えるケースは「〜のような」が「例えば」を意味している場合です。
以下の例文を見てみましょう。
Nancy loves scary movies, such as “The Shining”, “Saw”, and “The Birds”. (ナンシーは「シャイニング」や、「ソウ」、そして「鳥」のようなホラー映画が好きだ)
上の例文の「〜のような」は突き詰めて考えると「例えば」という意味ですね。「ナンシーは、例えばシャイニング、ソウ、鳥、などのホラー映画が好きだ」とも訳せます。
「シャイニング」や、「ソウ」そして「鳥」はホラー映画の「例え」です。
このように、「〜のような」の意味が「例え」の場合、「Such as」は「Like」に置き換えることができます。この場合、両者に意味上の違いはありません。
その他の例を見てみましょう。
「〜のような」が「例えば」を意味する場合の例:
- Sweets, such as cupcakes are in general, not good for you. (カップケーキのようなスイーツは概して健康に悪い)
- Jennifer follows Twitter accounts of celebrities, such as Idris Elba and Jason Momoa. (ジェニファーはイドリス エルバやジェイソン モモアのような有名人をツイッターでフォローしている。)
- Kathy is dreaming of visiting some Asian countries, such as Japan and China. (キャシーは日本や中国のようなアジアの国を訪れることを夢見ている)
上記の文の「Such as」以下は全て直前の名詞の例えです。
- カップケーキはスイーツの例え
- イドリス エルバやジェイソン モモアは有名人の例え
- 日本や中国はアジアの国の例え
これらはすべて「Like」に置き換えられるわよ。もちろん意味は同じ。
- Sweets, like cupcakes are in general not good for you. (カップケーキのようなスイーツは概して健康に悪い)
- Jennifer follows Twitter accounts of celebrities, like Idris Elba and Jason Momoa. (ジェニファーはイドリス エルバやジェイソン モモアのような有名人をツイッターでフォローしている。)
- Kathy is dreaming of visiting some Asian countries, like Japan and China. (キャシーは日本や中国のようなアジアの国を訪れることを夢見ている)
「〜のような」が「例えば」を意味するケースでは「Such as」と「Like」が両方使える。意味は同じ。
「〜のような」が「〜に似た」を意味する場合「Like」のみが使える
じゃぁ、「Such as」が使えなくて「Like」が使える場合ってどんなとき?
「〜のような」が「〜に似た」という意味のときよ。
「〜のような」が「〜に似ている」を意味する場合は「Like」を使います。下の例文を見てみましょう。
Avocado tastes like tuna. (アボカドはマグロのような味がする)
上記の文の「〜のような」は「〜に似た」という意味ですよね。マグロはアボカドの例えではありません。
なるほど。前章の例文はカップケーキ=スイーツ、つまりカップケーキがスイーツの例えになっているけど、アボカドはマグロではないよね。
アボカドはマグロに「似た」味がするのです。アボカド=マグロではありません。
このような場合「Such as」は使えません。
この場合の「Like」は「〜のような」ですが、より厳密には「〜に似て」という意味ですよね。
「Such as」も「〜のような」という意味ですが、「〜に似て」という意味はありません。
よって、「〜に似て」という意味で使いたい場合は、「Like」を使い、「Such as」は使えないのです。
以下の例文の「Like」は「Such as」に置き換えられません。
「Such as」に置き換えられない例
- My cat behaves like a dog.(うちの猫はまるで犬のような振る舞いをする)
- A gigantic creature like Godzilla destroyed New York City. (ゴジラのような巨大な生物がニューヨークを破壊した)
- John is a big guy, like a sumo wrestler. (ジョンは相撲取りのような太った人だ)
上記の例文の「Like」は全て「に似た」という意味です。
- うちの猫は犬に似た振る舞いをする。
- ゴジラに似た(ゴジラではない)巨大生物が、、、破壊した。
- ジョンは相撲取りに似た太った人だ。
これらの例文では「Like」は「Such as」に置き換えられません。
う〜ん、上の例文で、ゴジラは巨大生物の例え、相撲取りは太った人の例えって言えない?
それはダメ。
上の文の場合、ゴジラは巨大生物の例えではありません(ゴジラ=「ニューヨークを破壊した巨大生物」ではない)。破壊したのはゴジラに似たゴジラとは違う巨大生物です。ジラースかもしれません。
もちろん、ゴジラが巨大生物の例えになっている場合は「Such as」に置き換えられます。
じゃぁ、「John is a big guy…」は?
「相撲取り」は「太った人」の例えっていえないの?「Such as」に置き換えられるんじゃないの?
それもダメよ。
どうやら「Like a sumo wrestler」という前置詞句は直前の「A big guy」にかかる前置詞の形容詞的用法ではなく、Johnにかかる主格補語の用法のようです。「A big guy」と相撲取りを比べているわけではなく、Johnと相撲取りを比べているのです。
ジョンは相撲取りに「似ている」のであって、ジョンは相撲取りの「例え」ではないでしょ。
たしかに、ジョンは相撲取りではない普通の人だろうから相撲取りの例えではないね。
ジョンはさておき、「相撲取り」が「太った人」の例えになるような文では「Like」も「Such as」も使えます。以下の例文では「Such as」も「Like」も同じ意味として両方使えます。
「〜のような」の「Like」には少しくだけたニュアンスがある
ここまでで説明した通り、「〜のような」が「例え」を意味する場合、「Like」も「Such as」も同じで、置き換え可能ですが、両者には微妙なニュアンスの違いがあります。
「Such as」はフォーマル、「Like」は少しくだけたニュアンスがあります。
よって、フォーマルな場所や、ビジネスでのメールには「Such as」を使うのが無難です。
好ましい表現:
○:We must learn from customer complaints, such as the case of Mr. Smith.
間違いではないが避けた方が無難な表現:
△:We must learn from customer complaints, like the case of Mr. Smith.
訳: 我々はスミス氏のケースのような顧客クレームから学び取らなければならない。
「Like」 でもいいけどね。「Such as」のほうがフォーマルに聞こえるわね。
以上、「〜のような」を表現する「Such as」と「Like」の違いおよび類似点を述べてきました。ここまでをおさらいします。
- 「〜のような」が「例えば」を意味するケースでは「Such as」と「Like」は両方使える。
- 「〜のような」が「に似た」を意味するケースでは「Like」のみが使える。
- 1の用法の場合、「Such as」の方がフォーマルに聞こえる。
「〜のような」の意味で使われる「Such as」と「Like」の違いはこの3点だけ覚えておけばバッチリです。
次の章は興味のある方だけ読み進んでみてください。ちょっと「英語オタク」っぽい話題です。
「例えば」を表す「Such as」と「Like」の異なった見解とは?
この記事では「〜のような」の意味が「例えば」のケースでは「Such as」と「Like」は同じ意味であると説明しました。
しかし、「例えば」を表す「Such as」と「Like」にも違いがある、という見解を示すサイトもあります。
へぇ、そんなの知らないわ。どんな見解なの?
噛み砕いて解釈すると、「Like」は決して「例えば」の意味では使えない。どんな時でも「〜に似た」になってしまうってことかな。
よくわからないと思うので、少しづつ説明します。
下の例文を考えてみましょう。まずは「Such as」から。
Lisa loves doughy sweets, such as cupcakes and muffins. (リサはカップケーキやマフィンのようなパン生地系のスイーツが好きだ。)
この例文の場合、カップケーキやマフィンはパン生地系スイーツの「例え」ですね。「リサはカップケーキやマフィンを含むパン生地系のスイーツが好き」という意味で、図解すると以下のようになります。
一方、「Such as」を「Like」入れ替えた場合です。
Lisa loves doughy sweets, like cupcakes and muffins. (リサはカップケーキやマフィンのようなパン生地系のスイーツが好きだ。)
上の文の見解が当サイトと異なります。その見解は以下のようなものです。
カップケーキやマフィンはパン生地系スイーツの「例え」ではなく、「カップケーキやマフィンに似たパン生地系のスイーツ」といっているだけ。
つまり「リサはカップケーキやマフィンに似たスイーツは好きとは言っているが、カップケーキやマフィン自体が好きだとは言っていない」という意味。
カップケーキやマフィンは好きなものに含まれないというわけです。
図解すると以下のようになります。
「Such as」の意味は「例えば」、「Like」の意味は「〜に似た」。だから、「Such as」を「Like」に置き換えれば意味も違ってくる、という見解だね。
要約すると以下のようになります。
- 「Such as」以下(例文ではカップケーキとマフィン)は好きなものに含まれる
- 「Like」以下(例文ではカップケーキとマフィン)は好きなものに含まれない
え、そんな見解は聞いたことがないわ!私は生まれも育ちもミシガン。他の言語は全く話せない生粋の英語ネイティブだけど、例としてあげる場合の「Such as」と「Like」は同じ意味よ。
う〜ん、そっかぁ。
まぁ、先ほど紹介したサイトでも「区別なく使用するネイティブもいますが」って書いてるけどね。どうなんだろう?
アメリカ人のルーシーには強く否定されてしまいました。
そこで調べてみました。どうやらここの回答が一番うまく説明しているようです。CliffsNotesという学生向けの学習ガイドを出版している会社のサイトで見つけました。
サイトの見解を要約すれば以下のようになります。
つまり、本サイトで説明した通り、通常の場合にはネイティブは(「例えば」の表現としては)「Such as」も「Like」も同じ意味で使っている、ということになります。
CliffsNotesでは上記の主張を「Like」については以下の例文を使って説明しています。
Philosophy-based novels like Atlas Shrugged can change the way young readers see the world.
訳:「Atlas Shrugged」のような哲学が元になっている小説は若い読者の世界を見る目を変えることができる。
https://www.cliffsnotes.com/
CliffsNotesでの説明がつづきます。
This . . . example, strictly speaking, uses like to indicate books that resemble . . . Atlas Shrugged . . . but that aren’t Atlas Shrugged. Note the “strictly speaking,” though. In common, informal contexts — both spoken and written — the writer or speaker most likely intended to include Atlas Shrugged . . .
訳: この例文は、厳密に言えば「Atlas Shrugged(という題名の本)」に似た、しかし「Atlas Shrugged」ではない本、ということを示唆するためにLikeを使用している。しかしこれは「厳密にいえば」の話である。一般的に、フォーマルではない状況では(話し言葉にせよ書き言葉にせよ)その話者や筆者はほぼおそらく「Atlas Shrugged」を含める意図がある、、、
https://www.cliffsnotes.com/
ですから、最初の章で述べた通り、「〜のような」の意味が「例えば」の場合は「Such as」と「Like」の両方使える。と覚えておけば大丈夫です。
ルーシーは英語がネイティブのアメリカ人ですが、今まで「Such as」と「Like」の厳密な意味での違いがあるという見解を彼女は本当に知りませんでした。
それにしても知らなかっわ。私も勉強になっちゃった。おほほ。
ですから、非ネイティブの私たちは「Such as」と「Like」は「例えば」の意味では同じ、と考えて良いでしょう。
ユーチューブで見つけた下の動画も「例えば」の意味での「Such as」と「Like」は同じという見解をとっています。「Such as」がよりフォーマルだという点も当サイトと同じです。
7:10あたりからご覧ください。
まとめ
以上、「〜のような」を表す表現「Such as」と「Like」の違いについて説明しました。最後にここまでで学んだことを再確認しましょう。
- 「〜のような」の意味が「例えば」の場合は「Such as」と「Like」の両方使える。
- 「〜のような」の意味が「〜に似た」の場合は「Like」のみが使える。
- 1の用法の場合、「Such as」の方がフォーマルに聞こえる
- 1の用法の場合、厳密には「Such as」は例えたものが含まれ、「Like」は例えたものが含まれない。しかしネイティブは両方同じ意味で使っている。(例えは含まれる)
最後までお読みいただきありがとうございます。コメントを残していただけると作者が喜びます。
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