2021年3月にアトランタでアジア系女性ら8人が複数のマッサージ店で銃撃され死亡するという痛ましい事件が起こりました。
この事件に対するジェイ・ベーカー警部の発言が物議を醸し出しています。犯人を擁護するような発言があるというのです。
警部は謝罪し、担当者を交代されたようです。記事には以下のようにあります。
前日ベーカー警部は事件を説明する記者会見で、容疑者に関連して「彼は非常に疲れていて追い詰められていた状況だった」とし、容疑者を擁護するような発言をした。あわせて「昨日は彼にとって本当にツイてない一日(bad day)であり、これが彼のしたこと」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/85eac0dc8156a6c260a39f7dae6affdd428d4daa
さて、ベーカー警部は本当はどのような発言をしたのでしょうか。本当に問題なのでしょうか。発言の原文を翻訳しながら考察してみます。
ベーカー警部の発言の翻訳
ベーカー警部の発言の原文は以下になります。
“I spoke with investigators, they interviewed him this morning. And they got that impression, yes — he understood the gravity of it.
And he was pretty much fed up and had been, kind of, at the end of his rope. And yesterday was a really bad day for him, and this is what he did,”
Capt. Jay Baker
ベーカー警部の発言:
“私は捜査官たちと話しました。彼らは今朝、彼(容疑者)の取調べを行いました。そして彼(容疑者)は事の重大性を理解しているという印象を捜査官たちは持ちました。
そして彼はかなりうんざりしており、そして、まぁ、もう以前からずっとロープの淵にぶら下がっているようなもので、今にも不満が爆発しそうだったのです。そして昨日は特に機嫌が悪い日で、あのような犯行に及んだのです。”
用語の解説
Gravity of itは「事の重大性」。
Fed upは「うんざり」。
Pretty muchで「かなり」
Kind ofは日本語に訳しづらいのですが、「ある意味」、「まぁ」、「ちょっと」という感じです。
At the end of his ropeはイメージでわかりますよね。ロープの端にぶら下がって、限界ギリギリにいる、という感じです。
Bad dayは直訳すると「悪い日」ですが、「機嫌が悪い日」、「不運な日」などと訳されます。アメリカ人のルーシーにこの文脈ではどちらがより適切と思えるか訊きました。

そうね、「機嫌が悪い日」と私は解釈したわ。
発言の何が問題なのか
訳を見ていただければわかるように、ジェイ・ベーカー氏は警部という立場で、容疑者の立場に理解を示すような発言をしています。
8人もの命を奪ったかもしれない容疑者に同情を示すのは問題です。
Bad dayという表現も問題です。「機嫌が悪かったので犯行に及んだ」というのは許されない事です。
では、ジェイ・ベーカー氏は「機嫌が悪い日という理由だけで犯行に及んでしまうほどの凶悪極まりない人物だ、許される犯罪ではない」という意図で上記のような発言を行なったのでしょうか。
多くの人はそうは思ってはいません。訳を見ていただければわかるように、やはり容疑者に同情を示しての発言と感じ取れます。
アメリカ人のルーシーにも発言の原文を見てもらいましたが、同情を示す発言に取れるといいます。
この発言は人種差別的な要素も含まれていると考えられます。この容疑者は白人です。

私の知る限り、白人以外の容疑者に対してこのような同情を示す発言をそれなりの立場にある警察官が公の場で行った例を知りません。
以下の動画をご覧ください。やはり白人以外の容疑者に同情を示す発言は聞いたことがないと述べています。
Bad dayという表現も非常に不適切だとも述べています。
以上からわかるように、ベーカー警部の発言は非常に問題があると言わざるを得ません。
最後までお読みいただきありがとうございます。コメントを残していただけると作者がよろこびます。
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