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アメリカ生活に必要な英語力とは?

アメリカで生活していく上で、どのくらいの英語力が必要でしょうか?

これは人により様々です。

駐在の方の奥様など、働く必要がなく、日本人コミュニティーが確立された場所で生活するのなら英語力0でもやっていけます。

私の居住地はミシガン州デトロイト郊外で、日本食専門のスーパーから、果ては日本語の通じる歯医者まであります。その気になれば日本語のみでくらしていけます。

では、日本人コミュニティーがなかったり、アメリカで働く必要がある場合に必要な英語力はどのくらいでしょうか。

私の体験をもとに語ってみたいと思います。

TOEIC595点相当でのアメリカ生活

私が渡米した当時の英語力はTOEFLのPBTで503点、これは当時TOEIC595点相当と言われていました。

地方のコミュニティーカレッジへの留学生としての渡米でした。今振り返ってみてもこの程度の英語力では日常生活が不便でした。

ESLという外国人向けの英語教室には入らず、いきなりネイティブと同じ授業を受けたのですが、講師の言っていることの理解力は30%ほどだったと思います。

教科書はなんとか読めたので授業についていけたという感じです。こんな感じなので、ネイティブの友人を作るどころではありませんでした。

アメリカ人と1対1での会話は相手にゆっくり話してもらってやっと理解できました。当然アメリカ人同士の会話には全くついていけません。

なので、パーティに誘われても、部屋の隅っこで途方に暮れるしかありませんでした。

それでも話しかけてくれる人はいるのですが、簡単な会話しかできないので数分話して立ち去っていく感じでした。

この段階ではこちらの悩みを打ち明けたり、逆に悩みを聞いてあげたりなどの突っ込んだ会話は到底できません。

せめて、昨日見たドラマの話でもりあがることができれば良いのですが、それもできません。そもそもドラマをみる英語力がありません。

この程度の英語力だと、相手に気を使ってもらわないと会話が成立しないので、どうしてもネイティブには遠慮をしてしまいます。

なので、ネイティブの親しい友人を作るのは難しかったです。

日本にいる外国人とは違う

渡米前は日本で英会話教室に通っていたので、多少の外国人の友人はいましたし、そこそこに会話もできました。

しかし、渡米してみると勝手が違うことに気づきました。

日本にいる外国人は日本に興味があって来日しているので、会話も国際交流という感じです。双方の文化の違いやお互いの国の生活ぶりについて話したりします。

日本の事に興味があるので、こちらの英語が拙くても一生懸命聞いてくれますし、分かりやすい言葉で答えてくれます。

しかし、アメリカに住む人々で国際交流に興味のある人は稀です。彼らは別に文化の違いについて話あったりしたいわけではありません。

ほとんどの人はただ普通の英語で世間話がしたいだけです。手加減してゆっくり話すのは面倒なのです。

これは、逆の立場で考えると分かりやすいです。

普通に日本で生活をしていて、職場や学校で積極的に外国人に話しかける人は少ないでしょう。大抵の人は、昨日見たネットフリックスのドラマや、好きな音楽などのたわいもない話をしたいはずです。

話が合いそうもない、ましてや日本語がうまく話せない外国人とは自然に距離を置くようになってしまうのではないでしょうか。

アメリカでも同じです。

いや、アメリカ人は日本人以上に異国のことには興味がありません。

なので、日本で外国人とうまく会話ができても、渡米してからちょっとショックをうけるでしょう。

幸い?私の学校には日本人留学生が多くいたので、寂しい思いはしないですみましたが、日本人が全くいない環境でこの程度の英語力だと、かなり精神的に辛いのではと思います。

TOEIC595点の英語力で働けるか?

このレベルでの英語力でアメリカで働くとなると、選べる職は限られます。

日系企業のあまり英語を話す必要がない職場などでの就職になると思います。

あるいは、寿司職人など、特殊な技能があり、あまり英語力を必要とされない職に限定されるでしょう。

TOEIC739点相当でのアメリカ生活

在米2年で無事コミュニティーカレッジを卒業し、4年制大学に編入した時に受けたTOEFL CBTのスコアが確か217点程度でした。

TOEIC換算で739点と言われていました。

この程度の英語力でも、ネイティブの友人は作れませんでした。

相手に手加減してもらわないと会話が成立しないのです。ネイティブ同士の会話にはまだまだついていけません。

また、「迷惑になるのではないか」と考えてしまい、気軽にネイティブとは話ができません。

しかし会話力は上がっているので、他国の留学生とはかなり気軽に話ができるようになりました。それがたとえインドやヨーロッパの国々の英語ペラペラな留学生でも、会話が楽しめるようになりました。

同じ外国人同士だからでしょうか、留学生同士は話しやすいんですよね。

この程度の英語力があれば、仮に日本人のコミュニティーがない地域でも生活はできるでしょう。ただし、ネイティブ同士の会話にはついていけないくらいなので、友人ができず寂しい思いをします。

多少でも日本人のいる地域のほうが快適に過ごせると思います。

英語力は確実に上がっていますが、まだ授業では教授の話についていけないことが多かったです。特に文系の授業は大変で、歴史の授業の理解度はほぼ0でした。

焦ったので、ネイティブの友人を作り、ノートをうつさせてもらってなんとかパスしました。

バーでの思い出

この頃の英語のアメリカ生活でのコミュニケーション能力については、ひとつ思い出があります。

ある日、クラスで知り合ったマイク(仮名)と、花子さん(仮名、日本からの交換留学で在米数ヶ月目)と私の3人でバーに行きました。

そのバーでマイクの5人ほどのグループとばったり出会いました。彼らは楽しく会話していました。

マイクが花子さんと私を簡単に紹介した後、そのグループに加わりました。

その時のことを今でもはっきりと覚えています。

マイクが花子さんと私を紹介するなり、その場の雰囲気がガラッと変わったのです。

いままでリラックスしてはしゃいでいたそのグループに、なにかこう、ほのかな緊張感がはしったのです。

なんといいますか、例えるなら、仕事仲間でわいわいやっていたところにいきなり社長がやってきて場の雰囲気が固くなった、みたいな感じでしょうか。

微妙な雰囲気の変化なので、渡米まもない花子さんは全く気づいていないようでしたが、私にははっきりと場の変化が読み取れました。

私たちにはスラングバリバリのネイティブ同士の会話についていく英語力はありません。

彼らも、せっかく盛り上がっているところに、手加減して話さなければならない外国人が現れたので、戸惑ったのではないでしょう。

結局、マイクを含めた私たち3人は5分ほどでその場を離れました。

この段階の英語力では、日常生活に必要な会話はできるようになります。不便をすることも少なくなってくるでしょう。

しかし、やはり日本人コミュニティーがないと友人が出来づらく、寂しい思いをすると思います。

TOEIC739点で働けるか?

あまりコミュニケーションの必要ない職場や、日系の企業で駐在員との仕事ならば、このレベルの英語力で大丈夫だと思います。

自動車業界の日系企業で勤めましたが、大抵の駐在員の方の英語力はこの程度の英語力があれば大したもの、という感じでした。

TOEIC911点相当でのアメリカ生活

大学を卒業する時に力試しで受けたTOEFL CBTの点数が257点でした。

これはTOEICで911点に相当すると言われていました。

この頃になると、ようやっとネイティブ同士の会話にも少しずつ理解できるようになってきました。

授業が理解できるようになる

授業もかなり理解できるようになりました。

それまでなら、講義の後に教科書をしっかり復習しないと課題がこなせなかったのが、授業中に理解できるので、すぐに課題に取り掛かれるようになりました。

本来なら初年時に取るべき必須科目の英文学を4年時に取りました。初年度に一度履修しようとしたのですが、わからなすぎてドロップアウトしていました。

それを英語力がついた4年時に再履修したのです。

グループでの会話はまだ難しい

このように、大分英語での生活は楽になってきましたが、複数人の会話に割って入るのはまだ至難の技でした。

最後の学期にはグループワークのクラスがありましたが、会話の流れについていくのがやっとで、ろくに発言できなくてフラストレーションが溜まりました。

1対1の会話で言いたいことが言える

この頃に英語力がついたと感じたのは1対1の会話力です。

ネイティブとの会話も1対1ではかなり突っ込んだ話もできるようになりました。相手が手加減なしで会話してくるようになったのはこの頃と感じます。

私の英語力が上がって、手加減する必要がないと感じたのでしょう。

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電話での会話が楽になってくる

今まで苦手だった電話での会話も、手こずりながらもなんとかこなせるようになってきました。これが就職活動で非常に役に立ちました。

就職の面接ですが、いきなり会社に呼び出されたことは一度もありません。

どの会社も、リクルーターも、まず電話面接から始めます。ここで印象が悪ければ次のステップに進めません。

電話の英語は多少聞き取りづらいですが、それでもちゃんと理解して受け答えねばなりません。

TOEFL CBT 257点 (TOEIC911点相当)というのはそれがなんとかできる初期の段階だと思います。

TOEIC911点で働けるか

アメリカで就職したいのであれば、このTOEIC911点数前後の英語力があると有利と思われます。

それでも、100%ネイティブ環境で、接客などの必要がある職種はまだ無理でしょう。

エンジニアなど、完璧な英語を話す必要のない職場に限定されると思います。実私も製造のエンジニアとして採用されました。

女性は口説けるのか?

さて、この段階の英語力で女性は口説けるのでしょうか。そこら辺を私の経験をもとに書いてみます。

大学を無事卒業した私はアメリカでの就職も決まり、ほぼ100%英語環境で生活しました。

2年ほど一人暮らしをしましたが、この間英語は意識して勉強していませんので英語力は横ばいだったと思います(TOEIC911点相当)。

この頃にはかなり一人暮らしが寂しくなってきまして、恋人探しを始めました。

女性を口説かなければなりません。

TOEFL CBT 257点(TOEIC 911点相当)の英語力で女性を口説く事になります。

この程度の英語力があると、デートは1対1なので、会話はできます。

しかし、日本語訛りだし、喋っている時は文法は間違えまくりなので(英語力がついてくると、話している側から間違えているのがわかるようになります)、かなりそういうのに寛容な人でないと相手にしてくれません。

私感ですが、男女の交際においてはアメリカ人男性の方がアメリカ人女性よりも語学力のない人に寛容な気がします。

学生時代、日本人女性+アメリカ人男性のカップルは普通に見かけましたが、アメリカ人女性+日本人男性は1組だけでした。

と言うわけで、女性を口説く場合は語学力はあればあるほど良いと思います。

ここで付き合い始めたのが今の私の妻のルーシーなのですが、彼女は日本語訛りと文法間違いにはかなり寛容的でした。

ルーシーの前にオンラインで知り合い、チャットをした女の子には振られました。

Gobble gobbleが分からなかったり、Rakingってなに?と聞いたら、
怪訝な様子だったので、「変な英語を話す外国人」と思われたのでしょう。

と言うわけで、TOEIC911点相当の英語力では、女性は口説けると思います。1対1の会話なので、突っ込んだ話も余裕です。

ただし、依然ネイティブ並の英語力とは言いづらく、変な英語を話す人に寛容な人を探す必要があります。

それ以降の英語力でのアメリカ生活

と言うわけで、TOEIC911点相当あれば、アメリカで一人で生活していけるし、女性も口説けると思います。

しかし、まだまだネイティブと比べるとイマイチです。

私はルーシーと付き合いだして、彼女の両親の家にしばしば招かれました。しかし最初のうちは彼ら同士の会話にはついて行けませんでした。

特にルーシーの弟が早口でモゴモゴ話す人なので大変でした。

食事中でも私だけ黙っていて、皆が気を使って私に話しかけてくる感じでした。
TOEIC911点では、まだまだ先は長いと感じました。

そうこうしているうちに私たちは結婚し、親戚付き合いもするようになりました。

そうなってくると不思議なもので、段々と会話について行けるようになり、自然とこちらから発言できるようになりました。

このくらいになると、100%とはいかないまでも、ネイティブ同士の会話に割って入って発言できるようになったりします。

ようやくアメリカで暮らしても言葉のストレスが少なくなったなと感じる段階です。

早口で喋る不明瞭な電話のメッセージでもかなり聞き取れるようになってきました。

この頃になって、初めて日系企業でない職場で100%英語環境で働きました。

それまでは、日系企業でバイリンガルのエンジニアという武器を使って働いていたのです。

しかし、それでも英語力はネイティブと同等とは言えません。エンジニアという職種だったので、多少変な英語を話す人でも採用されるのです。

2020年に初めてTOEICを受けてみました。

アメリカ人の嫁をもらい、リスニングもかなり上達したと感じていたので良い点数が取れると期待していました。

ところが結果は885点でした。

英語力は上がっていると思っていたのでちょっと驚くました。英語力が落ちたのでしょうか?

リスニングではかなり上達したと感じていたのでちょっと不思議です。

詳しい考察は以下の記事をお読みください。

【意外と低い】TOEICで見るアメリカで就職した私の英語力!13年間のエンジニアの後
アメリカで就職するための英語力はTOEICで何点なのかを、13年間北米でエンジニアとして働いた私の点数から考察してみます。

最後までお読みいただきありがとうございました。コメントを残していただけると作者が喜びます。

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