今回は、No thank youの意味と使い方を解説します。
No thank you は「いいえ、 結構です」と訳されることが多いですね。
でも、もうちょっと突っ込んでその意味を考えると「有難う、でも大丈夫です」という感じでしょうか。
この、有難うの意味は、「お気遣い有難う」というニュアンスと考えて良いです。相手の申し出を丁寧に断る時に使います。
No だけだとかなりぶっきらぼうなので、 Thank youを足して少し丁寧に断りを入れているニュアンスです。
丁寧な断りの表現ですね。
でも、No thank youは失礼、 と説明されることも多いです。 実際どうなのでしょうか?というところをアメリカ人のルーシーに訊いてみました。
例文も私が作りました。
No thank youは失礼?
さて、No thank youが失礼か、ですが、 結論から言うと、「シチュエーションによる」です。
アメリカ人のルーシーには「No thank youが失礼である」という認識はありませんでした。
しかし調べてみるとやはり、「No thank youが失礼かどうかは、による」ということになるようです。
Quoraの解答でも「失礼でなはい、ただしシチュエーションや言い方による」という意見が多いです。
No thank youが失礼に聞こえる場合
さて、No thank youが失礼かは、 シチュエーションによる、と説明しましたが、 どのような場合に失礼に聞こえるのでしょうか?
まず、アメリカ人であるルーシーには「No thank youは失礼である」という認識はありませんでした。
No thank youは失礼ではない、丁寧な断り方よ!
ふーん、じゃぁ、以下のような夫婦の会話はどうよ?
No thank you が失礼になる場合の例文
妻: I booked the fancy Sushi restaurant for your birthday next week! Does that sound good to you? (来週のあなたの誕生日に高級な寿司屋を予約したの。どう思う)
夫: No thank you. (有難う、でも行かない)
妻: …..
(う〜ん、これは失礼だわ。悲しくなるわね。No thank youが失礼になることってあるのね。
No thank youは失礼ではない、 と認識しているアメリカ人のルーシーも、 具体的な例を挙げてみると、失礼な場合がある、 と納得してくれました。
さて、なぜ上の例文のようなシチュエーションではNo thank youが失礼になるのでしょう?
結論を言うと、「断ると相手を傷つけるようなシチュエーション」ではNo thank youはちょっとぶっきらぼうで失礼になる、と考えて良いです。
上の例文でも、せっかく寿司屋を予約してくれたのに断っています。ちょっと傷付きますよね。
このように断ると相手が傷つくような場合はNo thank you だけでは説明が足りない、ということです。
その他の例では、一生懸命あなたのために凝った料理を作ったものをいらない、と断る場合とか、
気を使ってお誕生日会をやってくれる、という申し出を断る場合とかも当てはまります。
上記のような場合、 断ると相手が傷つく可能性がありますよね。 この場合、No thank youは失礼に聞こえます。
日本語だって、「お気遣い有難う、でもいらないです。」だけでは、いくら「お気遣い有難う」と言われたからってちょっとショックですよね。英語でも同じことです。
これは、No thanksが失礼なフレーズというよりは、 Noにあなたの意志が感じられるからだと思います。「いらない」という意志が。
他にも、下の例のようにパーティーに誘われた場合でも、断ると「私が嫌いなのかな」と思われる可能性がありますよね。
No thank you が失礼になる例文2
A: Hey, I’m having a house party this Friday evening. Do you want to come? (今週の金曜日にホームパーティーを開くんだけど、来ない)
B: No thank you. (有難う、でも行かない)
これもニュアンスとしては、「(誘ってくれて)有難う、でも行きたくない」というニュアンスになるのでちょっと失礼な感じになります。
「行きたくない」といわれれば、ちょっと傷つくかもですよね。なので、No thank youは避けるべきです。
No thank youが失礼に聞こえない場合
さて、これまでで No thank youが失礼なシチュエーションを説明しました。
では、No thank youが失礼に聞こえないシチュエーションとはどのような場合でしょう?
それは、断っても相手を傷つける可能性が低い場合です。そのようなシチュエーションではNo thank youで十分です。
たとえば、 レストランでウェイター/ウェイトレスにコーヒーのおかわりを勧められた場合、 No thank youで十分です。日本語でも、 「ありがとう、でも大丈夫です」くらいの短いフレーズを使っていますよね。
No thank youが失礼にならない例文
ウェイトレス:Would you like more coffee?(コーヒーとおかわりはいかがですか)
客:No thank you.(有難う、でも大丈夫です)
コーヒーは欲しくないと言っても、「あぁ、もう十分コーヒーは飲んだんだな」ってな感じで何も傷つくことはありませんよね。
だからNo thank youで大丈夫です。
多くのネイティブが、「No thank you」は失礼ではない、 という認識があるのは、 このようなシチュエーションを想定してのことだと思います。
ウェイターのコーヒーのおかわりの場合もNo thank youは失礼だ、 としているサイトもありますが、 これは間違いです。アメリカ人のルーシーも
コーヒーのおかわり程度でNo thank youと答えるのは全然失礼じゃないわ。むしろ丁寧な断り方よ
と言っています。
やはり、 断っても相手を傷つける可能性がない場合は、No thank youで大丈夫です。
他にも、例えばスーパーに買い物に行く時に、
No thank youが失礼でない例文2
夫: I’m going to the grocery store. Do you need anything?(スーパーに行くけど、なにか買ってきて欲しいものある?)
妻: No thank you.(ありがとう、でもいいわ)
「ついでに何か買ってこようか」に「何も必要なものはない」と答えたって傷つきませんよね。 何も失礼ではありません。よってNo thank youで大丈夫です。
次ははルーシーが実際に行ったテキストでの会話です(実話です)。
No thank youが失礼にならない例文3(テキスト、実話)
Lucy, do you want a bag of cat litter? It is pellet style and I found that my cat doesn’t like the litter.(ルーシー、猫砂いらない?ペレットタイプを買っちゃったんだけど、うちの猫が気に入ってくれないのよ)
No thank you, but thanks so much for the offer!! Haven’t had good luck with getting our cat to use any pellet style litter either unfortunately.(有難う、でもいらないわ。残念なことにうちの猫もペレットタイプの猫砂は嫌いなのよ)
このシチュエーションでは猫砂なんていらない、と言っても友人は傷つきませんよね。だからNo thank youと返しています。(実話ですよ)。
まぁ、それでもちょっとぶっきらぼうと思ったのか、ルーシーは少し説明を付け加えていますね。
余談ですが、ルーシーは「Haven’t had good… 」の部分で主語を省略しています。 文法的には間違いなのでしょうが、 テキストの会話では主語を省略するのはあるあるです。
No thank you に代わる丁寧な断り方とは?
さて、No thank youでは失礼なシチュエーションがある、 と説明しました。
断ると相手を傷つける可能性がある場合でしたね。ではどのように断れば良いのでしょうか?
よく使われるのが、「本当はあなたの提案を受けたいのだけれど、それができない理由がある。私もとても残念」という意味のことを伝える、という方法です。
理由がない場合、あるいは本当の理由を言いたくない場合は適当に理由を作っちゃいます。
日本語で断る時と同じですね。
例えば、パーティーのお誘いを断る場合。
丁寧に断る例文1
A: Hey, I’m having a party on Friday. Do you want to come?(ねぇ、金曜日にパーティーを開くんだけど、来ない?)
B: Thank you so much for inviting me! I am sorry to miss it, but I already have previous plans.(お招き有難う。でも先に用事を入れちゃったのよ。行けなくてごめんなさい。)
こんな感じですね。本当は予定がなくて家でダラダラしたいだけの時もこのように言うこともあります。
えっと、「家でダラダラする」というのだって、予定ってことになるでしょ。だから厳密には嘘をついているわけじゃないわ。
例をもう一つ、ファンションのセンスがすごくダサいおばあちゃんが大学生の孫娘にクリスマスプレゼントにセーターを編んでくれる、と言っている場面を想像してみてください。
このような場合、例えば以下のようにして断ります。
丁寧な断り方の例文2
お婆ちゃん: You are always cold. Let me knit a sweater for your Christmas present so that you can wear it in your dorm.(あなたは寒がりだから。クリスマスプレゼントには寮でも着れるようにセーターを編んであげるね。)
孫娘: That is so thoughtful to offer Grandma, thank-you! I’m trying to be more minimalist these days though, so I was wondering if for any gifts this year we could go with non-material things?(お婆ちゃん、気遣ってくれてうれしいわ。有難う。でも最近私はミニマリストになろうとしているの。だから今年はなにか物でないプレゼントを交換するってのはどお?)
と、このように提案を受け入れられない理由を伝えます。まぁ、これでも真意を読み取られ、傷つくかもしれませんが。すくなくともNo thank youのように失礼ではありません。
このように嘘の理由を言うことはよくあると思います。日本語の場合と同じですよね。
アメリカ人は本音と建前がなく、はっきりとモノを言う、と言われますが、そんなことはありません。アメリカ人でも本音と建前はしっかりとあります。
I’m goodやI’m fineの方がNo thank youより丁寧ということはない。
ちなみに、No, I’m good や、No, I’m fineのほうがNo thank youより丁寧と紹介しているサイトが多いようです。
しかしここまで読んでいただけたら察しがつくかと思いますが、No thank youが失礼になるシチュエーションでは、 I’m goodやI’m fineと介しても、やはり失礼です。
No thank you と I’m good や I’m fineは同じようなニュアンスね。
まとめ
以上、No thank youの意味と使い方を解説してみました。
No thank youは失礼、と説明しているサイトが多いので、そこらへんをちょっと突っ込んで説明してみました。
お役に立てれば幸いです。
以下に、本記事を簡単にまとめます。
ちなみNo thank youは失礼か、に関する記事ではここも参考になります。本記事と比べてみてください。
最後までお読みいただき有難うございます。コメントを残していただけると作者がよろこびます。
コメント
こんにちは、
早いもので今年もそろそろ終わりですね。いや、ホントに早いです、年々益々ですが。
さて、私は状況次第ですが、Thanks but no thank you. とか、Thank you for your 何とか何とか(offerなど)but no thank you (or I’m fine)などと言っています。
ところで記事とは関係ないのですが、最近日本人が”大丈夫です”といっている意味が、我々の頃とちょっと意味が違うのではないかということに気が付きました。大丈夫ですというのは本来何か迷惑とか負担をかけられた様な場合に、相手を気遣っていう言葉だった様な気がしますが、最近は拒絶するような場合に”いや大丈夫です”などと言っている様な気がします。そういう使われ方を聞くとかなりムッとしますが(上司に対しても)、私だけでしょうか。お前大丈夫かと聞きたくなります。あと日本語で”無理、無理、無理、無理”と無理を何回もいう人が多いですが、これもちょっとなぁと思います。年代とともに言葉が変わるのは普通のことですが、上の様な例は、なんだか日本語が劣化していると思いました。
Кейсукеさん、
コメント有難うございます。
Thank you for your,,,は私もよく使います。色々な表現方法がありますよね。
「大丈夫」の用法が変わってきているのは私も気づきました。本記事にも反映しています。昔は断る時に「大丈夫」とは言いませんでしたね。日本語の変化って英語よりも速いようなきがします。「やばい」は私が若い頃は「危ない」の意味しかありませんでした。今は「凄い」という意味でも使われているみたいですね。
コメントありがとうございます。
>本記事にも反映しています。
そうでしたか。失礼しました。まだまだ読み込みが足りない様です。「やばい」も確かにその通りですね。「やばい」と「かわいい」しか言わない女子が多いのも気になります。女子の使い方も間違っている人が多いですが。こういうのも若い世代だけが使っていれば若者言葉で済ませられますが、そうでもないところに日本の幼稚化が垣間見えます。本当にヤバいです。