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日米働き方の違い、機械設計エンジニア

アメリカで働くってどんな感じなの?という疑問を持つ方は少なくはないでしょう。

日米の働き方の違いはどんなものなのか、気になりますよね。

私はアメリカで機械設計のエンジニアとして10年以上働いています。その間、日系企業に勤めていた時には日本で長期で研修を受けた経験もあったりします。なので、ざっくりと日米の労働環境みたいなものの雑感を書いてみたいと思います。

あくまで私の個人的な経験ですが(ちなみに製造業の開発課です)。

はじめに

私はアメリカで色々転職しています。まぁ、主に自動車部品の製造の会社を渡り歩いてきました。

そのうちの、2社では有難いことに長期に渡り日本の開発部門で研修をさせていただけました。両方とも約半年ほど日本で働けました。

その時の経験と、北米で機械設計のエンジニアとして10年以上働いた経験をふまえ、私が感じた日米の職場の働き方の違いなど、雑感を書いてみたいと思います。

時間

まず、日米での働き方の違いで、私が感じたことといえば、時間の管理、でしょうか。まずは日本から。

日本

日本ではサラリーマンでも残業代がでるせいか、時間管理がしっかりしていました。たとえば、日本で研修を行った時には、サラリーマンでもタイムカードがあって驚きました。

その他、気づいたことは、朝礼や、昼食など、時間がきっちりと決まっていたことです。

例えば朝、決まった時間にラジオ体操があったりします。、その後に朝礼がある会社もありました。

アメリカではこのようなことはありません。出社時間はバラバラで、しっかりと決まっているわけではないので、皆で朝礼や、ラジオ体操なんてできません。

大体、アメリカではサラリーで働く人は残業代が出ないのでそこらへんはいい加減でも良いと考えているのでしょう。

昼食

昼食時間も日米で違います。日本では、昼食も毎日、皆で同じ時間に取ります。

お昼にチャイムが鳴ると皆一斉に席を立って社員食堂に向かいます。社員食堂では皆整然と列に並んで食事を受け取り、席につけば皆で黙々と食べていました。

食べ終わった後、これまた皆で並んで食器棚に戻すのですが、その食器の戻し方もみんなちゃんとしていて、整然と効率良く片付けが進んでいきます。

そして、昼食が終わって席に戻ってもチャイムがなるまで仕事を始めません。昼寝している人などもいました。

昼休み中は電気が消されてしまうので仕事をしようとしてもやりずらかったです。

アメリカ

一方でアメリカでは働く時間はかなりアバウトな会社が多かったです。

人によって出社時間はまちまちです。7:00に出社する人もいれば、9:00出社の人もいます。

退社時間もまちまちで、16:00に帰ってしまう人もいれば、19:00頃まで働く人もいます。人それぞれ、業務の進行状況によりけりです。

ある会社での就業規則は以下のようになっていました。

ある会社の就業時間の規則:

  • オフィスにいなければならない時間:9:00〜15:00
  • 就労時間:40時間/週

このようにアバウトなので早い人は7時頃出社して4時ごろに退社していました。

昼食

昼食もきっちりとお昼休みが決まっているわけではありません。おおよそ12:00頃に昼食をとりますが、かなりアバウトです。

仕事のキリが良いところで昼食にしたりするので、時には11:30には食堂に行ったり、逆に12:30ごろに昼食にでたりする。仕事の進捗次第です。

ある会社には社員食堂があったのですが、大体11:00ごろからオープンして、14:00頃まで開いていました。

チャイムが鳴るわけではないので、みな自分の好きな時間に社員食堂に向かいます。

私には、その頃にはお昼を一緒に食べる仲間が数人いてとても楽しかったです。お昼に行くと仲間がバラバラと集まってきて、ワイワイとおしゃべりをしていました。

食事が終わっても、業務に余裕がある場合はゆっくりと仲間と過ごしていました。

昼休み終了のチャイムが鳴ったりするわけではないので、正直、昼食は1時間半ほど取ったりすることも多かったです。逆に忙しい時は30分ほどで済ませたりもします。

それでも上司は文句を言ったりしません。

業務さえしっかりとこなしていれば問題はないという感じです。

以上のように、昼食は長めに取ったりすることもありますが、その代わりに定時ではほとんど帰れないことも多いです。仕事量によります。

大体18:00〜17:00ごろまで働くこともあります。

このようにアメリカでは就業時間はアバウトです。思うに、アメリカでの就労時間が曖昧なのは残業代が出ないからではないでしょうか。

電話

あと、日本とアメリカで違いを感じたのは電話の使い方ですね。

日本

日本では各部署に電話があって、鳴ると誰かが答えてました。

各人に電話がある場合でも、その人が不在の場合には隣の人が電話に出て、言付けを受け取ってました。

アメリカ

これがアメリカだと少し違います。

まず、どの会社でも一人に一つづつ電話がありました。日本と違い、電話が鳴っても本人がいなければ誰も取りません。

というか電話は他人には取ってほしくないです。

放っておくと留守番電話になり、メッセージが残せるので、その方が確実に相手に伝わるからです。メッセージが残されていると、電話の赤ランプが付くのですぐにわかります。

でも最近はほとんど電話が鳴ることはなくなりました。

Skypeなどのチャットが普及していて、メッセージを送ってくるからです。チャットで連絡を取ってもすぐに返事が返ってこない場合もあります。

このような場合、「あ、忙しいんだな」と思い、相手も気にしません。大体しばらくして時間が空いたと思われる時に返事が返ってきます。

これが電話だと取らざるをえないので、チャットの方が相手の時間を尊重していますね。

とは言っても生の声で会話をしたい場合もあります。

そのような場合は、電話して良いかまずチャットして確認します。相手が忙しくて会話できないかもしれないからです。

大丈夫な場合はチャットでOKの返事が来ます。

そうしたら、チャットのアプリの電話機能を使って電話します。だから本当の電話を使うことはほとんどなくなりました。チャットのアプリだと画面の共有もできますし。

電話を使うのは、社外の人と連絡を取る場合くらいでしょうか。

しかし最近は客先とのコミュニケーションもほとんどメールで済ましています。メールは記録として残るので、誤解が少ないでからす。

アメリカではITが発達している

次はIT関係です。アメリカの方がかなり進んでいる印象を受けます。

アメリカ

まず、アメリカではデータベースがしっかりしています。例えば、設計図面はすべてデータベースで整理されていたりします。

正式発行のための承認申請も全てオンラインで行ったりします。あるドイツ系の会社ではドイツの本社と図面やモデルを共有できる独自のデータベースを使用していました。

図面データを共有していたので、ドイツで途中まで作成した図面を私が引き継いだり、とかが簡単でした。メールでデータを送ったりではなく、同じファイルをドイツとアメリカで共有してたので間違いが少ないです。

ある会社で働いていた時ははSAPというシステムを使い、図面の共有から製品の仕様書や取扱説明書、はては在庫管理も全てオンラインで一括管理されていました。

皆がうまく使いこなせているか、といえば、まぁ微妙でしたが。

先に述べた通り、図面データは同じファイルを共有しているため、私の担当の部品でも、忙しい時はメキシコにあるエンジニアリングセンターにモデル作成の依頼をしたりしてました。

モデル作成が終わるとSkypeなどにメッセージが届いて、画面を共有しながらヘッドセットで打ち合わせをしたりしするわけです。

オンラインのファイル共有は会社内だけに留まらないことがあります。

私がある部品を開発、製造するサプライヤーに勤めていた頃、客先のシステムに直接入って図面やモデルをアップロードしていたこともありました。

そう、なんと客先のシステムにサプライヤーが直接入れちゃうんです。

これが同じ米国でも日系の会社だと、3Dモデルはメールで送付、図面もPDFにしてやはりメールで送付、とかいう感じでした。

日本

それに比べて日本の会社はデータベースがしっかりしていない印象をうけます。

図面の管理などは、CADデータをPDFに変換して、それをサーバーのドライブに入れて済ましているような感じです。

海外の支社とのファイル共有など行ってませんでした。支社でデータが必要な場合はメールでコピーを送ってたり、良くてもFTPサイトにファイルをアップロードする程度です。

いずれにしてもファイルのコピーを送っていました。ファイルの共有はしていませんでした。

コロナの後、在宅勤務が普及

最近はコロナ禍の影響で、日本でも在宅ワークが多くなってきたようですね。

アメリカでもそれは同じで、私の嫁のルーシーもフルタイムで在宅ワークになりました。ルーシーは金融系の会社でマネージャーをしています。

彼女はコロナが終わっても在宅ワークだと申しています。私の今の会社も、週のうち3日在宅、2日出社になっています。

当初はコロナが落ち着いたら5日出社になる予定でしたが、それが変更になり、このまま週3日在宅のスタイルで行くことになりました。

今は家で仕事が出来るので、日本の本社と20:00くらいにオンライン会議があったりします。もちろん残業代はでません(泣)。

以上、私が感じた日米の職場の違いでした。また何か気づいたり、好評だったら続編を書くかもしれません。

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