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アメリカ人の部下を叱るのはダメ?問題を改善する英語質問フレーズ11選と避けるべきフレーズの例6選

パフォーマンスに問題のある社員はもちろんアメリカにもいます。

そのような場合、アメリカ人はどのように部下を叱り、指導するのでしょうか?ルーシー(現役アメリカ人マネージャー)に訊いてみました。

ルーシー
ルーシー

えっと、叱ったりはしないわ。それよりは問題の原因を突き止めるのが先ね。

ゆずピザ
ゆずピザ

確かに、アメリカでは、部下を叱るという概念はないかもね。ヘタをするとパワハラになるし。

ルーシーの話だと、まず何が問題かを質問し、指導を行ったり、相談に乗ったりします。部下を叱るというよりは、質問をとおして建設的な話し合いを行い、問題の解決を図るようです。

ルーシー
ルーシー

有無を言わさず相手を責めるような表現を使ってしまうと問題よ。パワハラになるかもだし、心を閉ざされてしまっては問題解決から遠のくわ。

相手を叱ってしまうと心を閉ざしてしまい、感情が先行してパフォーマンスの問題を解決する情報を得にくくなるといいます。

というわけで、アメリカでは部下を頭ごなしに叱るのは問題なようです。それよりは、部下の話を聞いてあげて、問題解決を図るほうがより生産的です。

今回は「アメリカの人部下を叱らずに問題を改善するための英語質問フレーズ」をルーシーに11個選んでもらいました。

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アメリカ人の部下を叱らずに問題を改善するための英語質問フレーズ11選

ルーシーはミシガン州、デトロイト郊外のある金融系の会社にマネージャーとして勤務しており、6人程の部下がいます。優秀な部下がいる反面、もちろんパフォーマンスに欠ける部下もいるようです。

問題がひどい場合には一対一の面談を開くといいます。この前も2人の部下と個別に面談を行わなければならないとぼやいていました。

面談ではいきなり叱ったり、指導したりはせず、まずは部下に質問し、話を聞くそうです。

叱り飛ばしたりしないであえて面談の場を設け、落ち着いて話を聞くのはアメリカの職場らしいです。

面談では、業務がうまく遂行出来ないのは何故なのか、マネージメント側でサポートできることはないのか、自分自身でどのような解決策を思い浮かぶかを建設的に話し合うようです。

けっして叱ることはしません。

そこで、ルーシーにどのような質問を面談で行うかを元にカテコリーに分けてもらいました。そのカテゴリー別によく使うフレーズをリストアップしてもらいました。

質問すべき事項

  1. 本人にそれとなくパフォーマンスに問題があることを伝える
  2. 低いパフォーマンスの原因を探る
  3. パフォーマンスを上げるために必要な援助は何かを尋ねる
  4. パフォーマンスを上げるために自発的な解決を促す

以上のカテゴリーをふまえ、ルーシーに面談で使うフレーズを厳選してもらいました。

アメリカ人部下を叱らずに問題を改善するための英語質問フレーズ11選

  1. How do you feel your performance has been recently? (最近、あなた自身の仕事ぶりをどう思う?)
  2. I’ve noticed your performance has been reduced, and am wondering what the reason might be? (あなたの業務遂行に問題があるようだけど、何か理由があるのかな?)
  3. What are the factors contributing to your lag in productivity this month? (今月のあなたの業務処理が少し遅いようだけど、なにか要因があるのかな?)
  4. Do you think it is possible to keep up with deadlines in our current work environment? (今の職場環境で締め切りを守って仕事をできると思う?)
  5. What can I do better as your manager. (マネージャーとして私に何かできることはある?)
  6. How can I help you better to improve performance? (あなたの業務をうまく改善するのになにか私が支援できることがある?)
  7. Do you feel there are resources you are lacking here to perform at your best? (最大限にあなたの能力を発揮するためのサポートが足りていないと感じている?)
  8. Do you need some help with prioritizing your tasks? (業務の優先順位を決めるのに助けが必要?)
  9. What do you feel you need to improve the quality of your work? (あなたの業務の質を改善するためには何が必要だと思う?)
  10. What tools can you put in place to better manage your workload? (今の業務量をこなすためには何が必要だと思う?)
  11. What are ways that you might organize your day to better stay on top of things? (最高のパフォーマンスを発揮するためにはどのように1日の計画を立てたら良いと思う?)

以下の各章でそれぞれのフレーズを解説していきます。

叱ることなくパフォーマンスに問題があることを伝える英語フレーズ1選

最近、あなた自身の仕事ぶりをどう思う?
How do you feel your performance has been recently? 

上司が部下の業務に問題ありと考えていても、部下の方が気づいていない可能性がありますよね。そのような時に、まずは部下自身が自分の仕事ぶりをどう思っているのかを尋ねるフレーズです。

実はこのフレーズにはもう一つの意図があります。

ネイティブならこの質問をされれば、「自分のパフォーマンスに問題があることを伝えられている」とピンときます。

このフレーズは質問の形をとっていますが、その実は「柔らかい表現でその社員のパフォーマンスに問題がある」事をほのめかしています。

つまり実は、遠回しに叱るのと同じニュアンスがあります。

ルーシー
ルーシー

私がこのフレーズを使うと、やっぱり部下の顔は多少こわばるわね。

このフレーズを使えば、上司の意図を読み取ってくれるはずです。

低いパフォーマンスの原因を探る英語質問フレーズ3選

次は「パフォーマンスの低い原因を探る」英語レーズです。

もし、部下のパフォーマンスが低い理由として、何らかの環境が問題と考えていて、それを尋ねたいのならこれらのフレーズが使えます。

あなたの業務遂行に問題があるようだけど、何か理由があるのかな?
I’ve noticed your performance has been reduced, and am wondering what the reason might be? 

部下を直接叱ったりせず、低いパフォーマンスの原因そのものを尋ねています。建設的に会話を続けるためにネイティブが使う手法です。カドの立ちやすい議題なので、叱らずに、柔らかい表現を使用しています。

まず、部下にパフォーマンスに問題がある事を「I’ve noticed…」という柔らかい表現で伝えていますね。

I am wondering…」でさらに表現を弱め、「might be」で「問題があるかもしれないの?」とさらに弱い表現にしています。

ネィテブスピーカーは部下を指導する場合、ここまで表現に気を使います。

ルーシー
ルーシー

これだけ表現を弱めても相手は傷つくけどね。

叱るというニュアンスとは大分異なります。

今月のあなたの業務処理が少し遅いようだけど、何か要因があるのかな?
What are the factors contributing to your lag in productivity this month?

部下の業務遂行が遅くて問題な場合に使えるフレーズです。

この表現も低いパフォーマンスの原因について丁寧に尋ねています。個人を叱る表現にはなっていません。ここでの「Factors」は「要因」という意味です。

外的要因を問うているのか、部下自身の内的要因を問うているのかをあえてはっきりさせずに質問し、弁解の余地を残しているのです。

今の職場環境で締め切りを守って仕事をできると思う?
Do you think it is possible to keep up with deadlines in our current work environment? 

部下の業務が遅い理由として、職場環境を疑っている場合に使えるフレーズです。ここで表現を和らげるために便利な2つのイディオム、「Do you think…」と「Is it possible…」が使われているのに注目。

必要な援助は何かを尋ねる英語フレーズ4選

ここでは部下のパフォーマンスの向上に必要な支援は何かを尋ねるフレーズを4つ集めました。

頭ごなしに叱るのではなく、助けを差し伸べる意図を伝えて心を開いてもらうことにより、建設的な問題解決ができます。

どのように援助すればパフォーマンスを上げてくれるのかを知りたい時はこれらのフレーズが使えます。

マネージャーとして私に何かできることはある?
What can I do better as your manager.

あなたの業務をうまく改善するのになにか私が支援できることがある?
How can I help you better to improve your performance?

上記の2つのフレーズで部下がどのようなサポートが必要なのかがわかれば、支援が行いやすくなるでしょう。

これらのフレーズには「あなたを見捨てない。私は味方だ。サポートします」というニュアンスが感じ取れます。

「非協力的な他部署のマネージャーとの調整をお願いしたい」や、「新しく導入したシステムが不慣れなので、トレーニングを受けたい」など、業務改善に積極的な部下であれば、具体的な支援を求めてくると思います。

最大限にあなたの能力を発揮するためのサポートが足りていないと感じている?
Do you feel there are resources you are lacking here to perform at your best?

もしも部下のパフォーマンスの低さが周りのサポート不足や設備の不備から来ていると疑っているなら、この表現が使えます。

ここでの「Resources」というのは、「人的資源」と「物的資源」両方です。

これで、同僚や、先輩の指導、あるいは他部署の協力が足りないのか、コンピューターなどの設備が問題なのかを尋ねることができます。

ここでも表現を和らげるイディオム「Do you feel…」が使われていることに注目。

業務の優先順位を決めるのに助けが必要?
Do you need some help with prioritizing your tasks?

部下が業務の優先順位を決められなくて、何から始めたら良いか混乱している様子ならば、このフレーズが使えます。

やはり、このフレーズも「あなたを助けたい」というニュアンスがあります。

叱ることなく自発的な解決を促せる英語フレーズ3選

アメリカ人は事細かく指示を受けるのをマイクロマネージメントといって非常に嫌がるのはご存知のことと思います。

やはり、頭ごなしに叱ることはしないで、部下自身で解決策を挙げてもらうのがアメリカでは一般的です。ここでは、解決策を自分で考えるのを促す英語の質問フレーズを3つ紹介します。

あなたの業務の質を改善するためには何が必要だと思う?
What do you feel you need to improve the quality of your work?

What do you feel…」と質問して自発的に解決策を考える事を促しています。

もし、ここで「What do you feel」を省いて「You need to improve the quality of your work (君は業務の質を向上させる必要がある)」と言ってしまうと少しカドが立ちます。

このフレーズのように質問形式にして自発的に考えてもらうと建設的になります。

今の業務量をこなすためには何が必要だと思う?
What tools can you put in place to better manage your workload?

業務量に圧倒されて戸惑っている部下に自発的に業務処理の改善方法を出してもらうための質問です。

この「Tools」はパソコンやノートなどの道具の他にエクセルの教室、その他のスキルアップの為のトレーニングなども含まれます。

最高のパフォーマンスを発揮するためにはどのように1日の計画を立てたら良いと思う?
What are ways that you might organize your day to better stay on top of things?

上記のフレーズはさらに具体的ですね。1日の計画をどのように立てるのが最善かを質問しています。

あなたが部下の時間管理に問題がある事を疑い、毎朝計画を立てて欲しい場合に、このフレーズが使えます。

マイクロマネージを嫌うアメリカ人には「You should make a plan every morning before starting your task (毎朝1日の計画を立ててから業務に取り組んでくれたまえ)」と叱るよりも効果的です。

部下に使うべきでない叱るようなきつい表現の英語フレーズとは?

前述したように叱るようなきつい英語表現は避けるべきです。以下はきついと感じ、避けた方が良い質問をあげました。

Why is your performance low? (何故あなたの業務能力は悪いのか?)

この表現を使うと、たとえ本意が、「環境などの外的要因を尋ねている」としても通じません。

業務ができない事を有無を言わさず部下の責任としてとらえているニュアンスがあります。

叱られたと感じ、心を閉ざしてしまい、本音を話してくれなくなる可能性が高いです。

もう一つの問題として、このフレーズでは、「Low」という単語を使用しています。

代わりに前章で挙げた「I’ve noticed your performance has been reduced, and am wondering what the reason might be? (あなたの業務遂行に問題があるようだけど、何か理由があるのかな?)」を使うと良いでしょう。

もう一つ、低いパフォーマンスを表現するのに「Low」はストレートすぎます。このような類の単語の使用は出来るだけ避けたほうが良いでしょう。

Why are you slow finishing your tasks this month? (何故今月は仕事が遅いの?)

この表現も単刀直入すぎます。やはり、部下の責任にして叱っているニュアンスがあります。

業務が「遅い」の表現として「Slow」を使うのは避けた方が無難です。

代わりに前章で挙げた「What are the factors contributing to your lag in productivity this month? (今月のあなたの業務処理が少し遅いようだけど、どうしたの?)」を使うと、表現が和らかくなります。

Why did you miss your deadline? (何故締め切りを守れないの?)

これも叱っているように聞こえる表現です。一般的に質問を「Why」で始めるときつい表現になってしまう傾向があります。

代わりに「Do you think it is possible to keep up with deadlines in our current work environment? (今の職場環境で締め切りを守って仕事をできると思う?)」を使いましょう。

What do you want from me? (一体私から何が必要だというのか?)

この表現は絶対に避けた方が良いでしょう。訳に示すように、かなりきつい表現です。

代わりに「What can I do better as your manager. (マネージャーとして私に何かできることはある?)」を使いましょう。

または「How can I help you better to improve your performance? (あなたの業務をうまく改善するのになにか私が支援できることがある?)」を使ってもよいです。

How will you improve your performance? (どうやって業務能力を向上させるつもり?)

言いたいことはわかりますが上の文は単刀直入すぎます。やはり叱っているニュアンスです。

What do you feel you need to improve the quality of your work? (あなたの業務の質を改善するためには何が必要だと思う?)」を使いましょう。

Why can’t you prioritize your tasks? (何故優先順位を決められないのか)

この表現は話し手を責めているように聞こえます。相手に寄り添い、支援を提案する、「Do you need some help with prioritizing your tasks? (業務の優先順位を決めるのに助けが必要?)」を使いましょう。

表現を弱めたほうが良い理由とは?

ここで紹介したような質問を行えば、部下も真剣に考えてくれ、建設的な話し合いができるかと思います。

紹介したフレーズはもしかすると表現が弱いと感じるかもしれません。

しかし、アメリカの企業ではパフォーマンスが理由でここで紹介したようなフレーズを使われればそれだけで部下にはその重大性が伝わります。

重大なことは承知なので、あまり責め立てるような表現は使わないのが一般的です。弱い表現でも部下には十分ショックなのです。

私自身、アメリカで16年働きました。

長く勤めているうちに行間が読めるようになり、柔らかい表現にも敏感になってきました。よく、アメリカ人はストレートにものを言うと認識されていますが、私の経験からすると、少なくとも職場では逆だと感じます。

むしろ日本人の方が単刀直入に叱ったりして、ストレートと感じます。

叱らない英語質問フレーズの効果とは?

さて、余談ですが、本記事で紹介したフレーズの効果のほどを、非常に主観的ですが参考までにお伝えします。

ルーシー(アメリカ人)はある金融系の会社で4年ほどマネージャーをしていますが、彼女はパフォーマンスに問題のある部下との個人面談をおよそ5人程と行なったようです。

本記事で紹介したフレーズを使い、叱ることなく丁寧に指導したようです。

部下によっては複数回、進捗を確認するために面談を行ったといいます。

さて、その効果の程はというと、、、

その内3人は業務方法を改善してくれて、立派な戦力になってくれたそうです。この記事で紹介したフレーズを使い、建設的な話し合いができたおかげで個人面談が役に立ったと言っています。

ざっくり言って、おおよそ50%以上がパフォーマンスを上げてくれたようですね。個人面談の効果有りといって良いでしょう。

ゆずピザ
ゆずピザ

それで、パフォーマンスの上がらなかったその他の二人はどうなったの?

ルーシー
ルーシー

残念だけど、やめてもらうしかなかったわ。

残念ながらその他の2人は解雇にしてもらったようです。アメリカでは解雇は普通にできます。

だからこそ、叱ってしまうと、まともな部下ならショックを受け、身構えてしまいます。

そのため、表現を柔らかくして、できる限りリラックスしてもらい、建設的に話を進めやすくするのです。

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まとめ

以上、アメリカ人の部下を叱ることなく問題を改善する英語質問フレーズを11、避けるべきフレーズ例を6ほど紹介しました。

最後に質問すべき事項をおさらいします。

叱ることなく質問すべき事項

  1. 本人に自覚があるか確認するための質問
  2. 低いパフォーマンスの原因を探るための質問
  3. パフォーマンスを上げるために必要た援助は何かを尋ねるための質問
  4. パフォーマンスを上げるために自発的な解決を促す質問

この4種類の質問で部下のパフォーマンスの向上に必要な情報は得られるかと思います。ぜひお役に立ててみて下さい。

最後までお読みいただき有難うございます。コメントを残していただければ作者が喜びます。

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