海外に英語のメールで依頼をしたのに返事か来ないって、結構よくあることですよね。
私はアメリカで13年ほどエンジニアとして働いていましたが、メールを無視されることはしょっちゅうでした。
しかし、長く働いているうちに段々と、どういう場合に無視されるのかがわかってきました。
今回の記事では依頼メールが無視される理由とその対策についてお話しします。
なお、返信を催促したい場合の例文が知りたい方はこの記事を参考にしてください。
メールの返信が来ない理由①相手がとても忙しい
依頼メールを出した相手が忙しすぎると返信がもらえないことが多いです。マネージャーやチームリーダーなどがこれに当てはまります。
このような人は場合によっては1日に何百通もメールが届いています。
忙しい人には、回答するのに時間を要する依頼をすると、無視されることが多かったです。私が一介のエンジニアだったので軽くみられていたというのもあるかもしれません。
対策
対策としては、まず、できるだけ簡単に回答できるように依頼内容を絞りました。
例えば、「評価で不具合が出たので何か良いアイデアがありませんか」、と質問するよりは、「振動試験で不合格になりました。メッキが薄かったのだと思います。過去に100時間耐久で合格した製品のメッキの仕様が記載されている図面を持っていたら送ってください」、と質問した方が具体的なので返信してくれる可能性が高くなりました。
さらに、「もし即答できないのならば、どなたか担当者を教えてください。(If you are not the right person to ask, do you happen to know who would be?)」のように、すぐに答えが出せない場合でも簡単に回答できるようにしていました。
担当者を教えてください、を加えると、相手が忙しくても担当者を知っていればすぐに回答できるので、返信の可能性が高まります。
メールの返信が来ない理由②依頼内容がわかりづらい
長文で色々なことを要求したり、前置きが長くてよく依頼内容がわからない場合は無視されがちです。依頼の内容が漠然としていると、相手がこちらの意図を読み取れずに回答がもらえないケースがあります。
まして、不慣れな英語で長文を書くと、わかりずらいメールになっている可能性があります。だから、依頼はできるだけ短文で、簡単にする必要があります。
例えば、以下のようなメールだと依頼内容がわかりづらいです。
上記のような依頼だと、どのような報告書を送れば良いか不明だし、調べるにも時間がかかりそうです。
対策
やはり、依頼をより具体的にする必要があります。以下のように直すと返信の確率が上がります。
このように、依頼内容を具体的に簡潔にわかりやすく、依頼内容を最初に、理由を後に持ってくると返信の確率が高まります。
メール自体は長くなっていますが、依頼要件は最初のほうに持っていき、後半は読み飛ばされても大丈夫なようになっています。
それでも返信が来ない場合は催促のメールを出してみましょう。
メールの返信が来ない理由③相手に業務の処理能力がなくて混乱している
注意しなければいけないのは、依頼の相手に業務の遂行能力がない場合です。弱みを見せまいと、なんでも知っているふりをする人がいます。
真に受けて詳しいと思って依頼をすると、あなたの言っていることがわからず無視してしまうのです。
アメリカではよくあることなのですが、たとえば採用の時に自分の経験を盛って話してしまい、能力がないのにそのポジションにいる人がたまにいます。
知識や経験がないので、あなたの言っていることを理解してない、あるいはどのように処理して良いかわからなくて返信しない場合があります。
こういう人は電話やビジネスチャットでちょっと会話してみればボロが出るのですぐわかります。こういう人には振り回されないよう注意が必要です。
対策
このように業務の処理能力がない人は、長くて半年も待てばクビになるか、違う部署に再配属されるので問題ありません、と言いたいところですが、依頼を半年も待てるわけはありませんよね。
このようなケースでは、返信をもらうのは諦めて、その人の上司かその他、助けてくれそうな人に再度依頼するしかありません。
メールの返信が来ない理由④普段から要求が多い
あまり気軽に多くの不必要な依頼メールを出していると、ある時点から返信がもらえなくなる場合があります。あるいは、緊急でもないものにまで回答を急がせたりすると、最初は丁寧に対応されても次第にオオカミ少年のように無視されていきます。
プロジェクトマネージャーで、計画表の立て方があまりうまくなく、とりあえず全ての依頼を緊急にしておけば良い、と考えているような人がいました。彼は最後には相手にされなくなっていました。
こちらからしっかり計画をたて、急ぎでない要件ならその旨を伝えておくと信頼関係ができます。そうなれば、本当に緊急の時は事情を話せば真剣に対応してくれます。
評価試験報告書で緊急に発行してほしいという事例があったのですが、試験室のマネージャーに丁寧にお願いしたところ、休暇中でフロリダにいたにも関わらず対応してもらったことがありました。
逆に、日本から来た駐在のエンジニアの方で、よく吟味もしないでとにかく様々な試験依頼しているエンジニアがいました。一つの製品で10も20も試験依頼をするのです。しかも短納期で。
特に必要なくても、一応試験依頼をしておこう、というかんじのものまでありました。もちろん短納期で。
最初は試験室のマネージャーも丁寧に対応していたようですが、あまりの依頼の多さと、その必要性の不明さから、返信がなくなっていったようです。
彼はほとほと困り、参考と称して各試験の日程表を勝手に作ってその試験室のマネージャーに送っていましたが、効果はなかったようです。
彼が依頼した先は、先程お話ししたフロリダに休暇に行った試験室のマネージャーです。
同じ人に依頼するにも、こちらの気遣いでかなり違いがでます。この違いは、日本での職場環境よりも顕著だと感じます。
依頼をする前に、相手の時間を取るだけの価値があるのか、相手の負担をできるだけ軽くしてから依頼できないか、と考える必要があります。
アメリカ人は、もちろん会社のために働くのですが、それ以上に同僚や、上司のために働くという意識が強いです。
アメリカでは雇用者はいつ解雇されるかわかりません。だから、会社と良好な関係を築こうという意識よりは、良好な人間関係と築こうとする傾向にあります。
そのほうが万が一解雇されても、人間関係は継続され、それが次の仕事探しに役立つからです。
だから、良好な人間関係を築く価値がないと判断されると、依頼メールも返信されにくくなってしまいます。
なので、依頼をする場合は、できるだけ相手を気遣うと良い結果がでます。
メールの返信が来ない理由⑤重要な案件であることを理解していない
アメリカ人は盲目的に人に従うことを嫌います。
業務を行うにしても、「なぜそれを行うのか」、「緊急なのか」など、依頼の理由を考えて行動しています。
重要な案件で、急ぎの返信が必要なら、その理由も添えると返信の可能性が高くなります。
逆にあまり重要でなく、返信も急ぐ必要がなければ、その旨を伝えると信頼関係が増し、本当に緊急のときに対応してもらいやすくなります。
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