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「夏への扉」英語の勉強がてら原書を読んでみたら無茶苦茶面白かった

「夏への扉」といえば、2021年に日本で映画になったようですね。

実はこれ、1956年に出版されたアメリカの小説、が元になっているのをご存知でしょうか。

その原書、「The door into summer」を読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです。

そこで、この原書の感想、英語学習としてどうなのか、といったところを書いてみます。

できる限りネタバレしないように書きました。この小説を買うか、買わないかの参考にしてください。

「夏への扉」原書の難易度

まずは英語の難易度からお話しします。TOEIC885点の私の感想です。

出版が少し古いせいか(1956年出版)、すこし難しかったです。

知らない単語、イディオムがけっこう出てきます。そしてそれがその当時のスラングなせいか、辞書にも乗っていないことが非常に多かったです。

そういう、よくわからない表現は読み飛ばすしかありませんでした。しかし読み飛ばしても話の流れは十分わかり、とても面白かったです。

ちなみにアメリカ人のルーシーにも読んでもらいましたが、同意見でした。

ルーシー
ルーシー

比喩表現なのかわからないけど、全然意味がわからない部分が結構あったわね。

まぁ、アメリカ人でもわからない部分があるので、あまり気にしないで大丈夫でしょう。

しかし、お話を楽しめなければ続かないので、読んでみてほとんどわからないというのであれば本書はお勧めできません。

オンライン書籍などで、お試しで最初の数ページを読んでみて、よくわからなければやめた方が良いでしょう。

私の場合、最初の章をほぼストレスなく読めましたし、話に引き込まれたので、本書の購入に踏み切りました。

「夏への扉」作品紹介

難易度の次は、簡単に作品紹介をします。

「夏への扉」、The Door into Summer は Robert A Heinlein氏の作品です。彼は有名なSF作家で、他に有名なものに、「宇宙の戦士」Starship troopersなどがあります。本書のジャンルはSF、サイエンスフィクションです。

出版年は1956年で、舞台は1970年のロサンゼルスです。

つまり、出版当時の1956年からから見た14年後の近未来が舞台なんですね。

どこが面白いのか

この作品はとても面白かったです。後半のラストスパートも素晴らしかったです。夢中になってしまって最後は一気に読んでしまいました。

振り返ってみて、どこが面白かったのかをここで挙げてみます。

この作品の主人公は機械エンジニアで、私と同じ職業です。作中では製品開発を説明する部分があって、これが面白かったです。

例えば、エンジニアは0から物を開発しない、既にある技術を組み合わせるのだ、とかエンジニアとして共感できて面白かったです。

次に、作中に出てくる猫のピート君ががとても可愛かったです。我が家にも猫が二匹いるので、共感する部分がありました。

1956年に想像した1970年の世界が面白い。

その他に面白かったのは、なんといっても1956年に作者が想像した1970年の世界です。

この小説の中の世界では1970年にはすでに車に自動運転機能が付いていたりします。あとは冷凍睡眠が実用化されていたり、かなり高度な家政婦ロボットが実用化しています。

ペッパー君など目じゃないほど高性能なロボットです。主人公はそのロボットの開発者なのです。

あと、主人公が考えた製図支援機は見ものですよ。まだCAD(簡単にいうと、コンピューターで図面を描くソフトウェア)がない時代に考えた未来の製図機の描写があります。

思うに1950年台って、科学技術がどんどん急速に発達していった時代ですよね。

飛行機がプロペラからジェットになったり、冷蔵庫やテレビが普及しだいたのもこの時代ではなかったでしたっけ?

だから当時の人はこんな楽観的な70年台と到来を信じられたのでしょうね。1956年にこれを読んだ人は近未来に夢を膨らませたことでしょう。

その他、話の筋がとても面白いのですが、ネタバレになるので言いません。ぜひ読んでみてください。

まとめ

というわけで、「夏への扉」の原書はとても楽しく読めた本です。個人的にはハリーポッターより面白かったかも。

出版年が古く、スラングがわかりづらい部分もありましたが、全体的にはあまりストレスなく読めました。

オンライン立ち読みなどで、最初の数ページ読んでみて、その世界観に惹かれた人は読んでみるとよいです。

最後までお読みいただきありがとうございます。コメントを残していただくと作者が喜びます。

コメント

  1. Кейсуке Минами says:

    いつも有益な情報をありがとうございます。

    エンジニアの方にこんなことをいうのも何ですが、技術の発展ってすべてが人類を幸福にする訳ではありませんよね。昔コピー機が普及したころだって、その内にライバル企業も使いだすわけですから、事務効率化でAdvantageがとれるのはほんの束の間です。スマホだってSNSの流行と相まって、他人からの承認欲求が高まって自己をなくしてしまった人や空虚な自慢をする人が増えた気がします。確かに便利なものではありますが、便利であるからこそ、好きな人と今すぐ連絡が取れないということなど殆どないので、昔の”愛染かつら”のような映画を製作することもできず、文化も退化しているように思います。日本でも、アメリカでもそうですが、言葉の発音、使い方など昔の方が遥かに美しかったような気がします。単なる回顧主義ではなく、私の生まれた年代と比較しても、その前の方が美しい文化が存在していたと感じます。映画も平成や令和のものは、邦画、洋画を問わず面白いものを見つけるのが困難です。歌謡曲などの音楽も今のものはメロディーに個性がなくてあまり聞く気がしません。全体的にフラットなメロディーで所々裏声的な高音になるアニメのような曲が多くてうんざりです。人類はどこを目指しているのでしょうかね。

    • YuzuPIzza says:

      Кейсукеさん、

      コメント有難うございます。

      私も時々技術の発展ってなんのためにあるのかな、と疑問に思うことがあります。あまり人を幸福にしているとは限らないですよね。とは言っても新規の開発があるので私のような者が食べていけるわけで、ちょっと複雑な気持ちです。

      音楽はたしかに個性がなくなっているのかもしれません。それと70年代、80年代の曲はその時代の雰囲気がありますが、今の曲と10年前、20年前の曲はあまり違いが分かりません。

      私が歳のせいかもしれませんが。

  2. Кейсуке Минами says:

    私が歳のせいかもしれませんが。⇒まだ歳ではないですよ。私は1961年生まれなので。私の感覚からすると1970年生まれはまだ若いです。ただ問題は50代前半位から60代になるのはあっという間です。何もしないうちにじいさんになります。それと徐々に老いていくのではなくて、ある段階で急に老いる様な気がします(特に外見とか気力とか)。運動しないと特に脚の筋肉はすぐに落ちるようになります。驚かして申し訳ないです。

    • YuzuPIzza says:

      Кейсукеさん、

      有難うございます。61年生まれの方からすれば私など若輩者ですね。ある段階で急に老いる感じですか。外見はあまり気にしませんが気力はできるだけ保っていきたいですね。

  3. Кейсуке Минами says:

    ご意見ありがとうございます。気力と言えるのかどうかわかりませんが、物に対する執着心みたいなものは確実に弱くなるような気がします。私がこれから何年生きるかわかりませんが、今後の20年間と子供時代の20年間は明らかに時間の経過の”感じ方”が違います。今後の20年は子供の頃の4~5年位の感覚です。と思うと、何か趣味で物を集めようかとかそうい言う気が起きなくなってきました。あの世には何ももっていけませんから。高齢になっても骨董などを収集されている方を見ると、ある意味羨ましい様な気もします。私はネコ好きでなのですが、近年は今飼っているネコ達(2匹)にこれまで以上に愛情を注ぐことが、何にも増して大切に思えてきました。