あなたが成人していて、英語がら随分と遠ざかっていて、さて、英語の勉強をはじめるぞ!と意気込んでいたとします。
何から最初にやるべきでしょう?
単語を覚える?文法?洋画を観まくる?
いえ、まず、何はともあれ発音の基礎から始めることを強くおすすめします。
特に発音記号を全て覚えることから始めるべきです。なぜならば発音記号の勉強はリスニングの上達に大きく影響してくるからです。
0からの英語の勉強で発音が大事な理由はリスニング
なぜ発音記号を一番最初にやるべきかの理由を説明します。それはずばり「リスニングのため」です。
他にも自分の英語がネイティブに通じやすくなるなど、いろいろ理由はあるのですが、発音はリスニングのためにやる、と思っていただいて結構です。
発音を学ばないでリスニングの練習を続けていても、ある時点で上達が止まってしまうのです。
発音がわからないとリスニングがいつまで経っても上達しない
なぜ発音の基礎を学ばないとリスニングに限界が来るかを解説しましょう。それは、「脳内カタカナ変換」をしてしまうからです。
脳内カタカナ変換をしてしまう
発音の基礎を学ばないまま英語の学習を行なってしまうと、あらゆる場面で「脳内カタカナ変換」を行うようになってしまいます。
例えば、あなたが新しく英単語、Bath を覚えようとしているとします。たとえ「リーディングだけできればいいや」と思っていても、これをアルファベットの羅列として覚えるわけではありませんよね。なんらかの音を当てはめると思います。
発音の基礎がないと、これをカタカナで「バス」として覚えることでしょう。そうして、BusもBassも「バス」と覚えることになります。
こういう状態でリスニングをどんどん練習していくと恐ろしいことに脳内カタカナ変換が上手くなっていきます。
最初はネイティブが「Bath」と言っても上手く聞き取れません。しかし、練習しているうちに「バス」と容易に脳内カタカナ変換ができるようになるのです。
こうなると、リスニングをしていてBusと聞こえても、Bathと聞こえても、Bassと聞こえても脳内変換して「バス」と認識するようになります。
そしてこの3者の違いは文脈から判断することになります。
そうやって練習を重ねていくと、CNNやTOEICなどの非常に綺麗な発音をしてくれる場合には問題なくカタカナ変換ができるようになり、そういうものならば聞き取れるようになっていくのです。
しばらく英語を勉強すれば、ふふふ、私もだいぶ英語ができるようになったな。と喜ぶことでしょう。
脳内カタカナ変換には限界がくる
こうして脳内カタカナ変換の達人となっていきますが、ある程度学習が進むと大きな壁にぶつかることになります。
その壁とは、リスニングにおいてちょっと情報量が不足してくるともう聞き取れないという状態になるのです。
しっかり発音してくれている間はBathと言われれはth(発音記号でθ)の部分も熟練した脳内カタカナ変換の能力を駆使して「ス」と認識できて、「あぁバス」のことだな、となります。
しかし、音質の悪い電話だとか、ぞんざいに発音されるともう聞き取れなくなってしまうのです。
Th (θ)は、それが立派な発音の一種だということを知らないと、ただ息を吐いているように聞こえます。ちょっとルーシーに発音してもらいましょう。

最初にth (θ)と発音し、つづいてBath (bæθ)と言っています。
どうでしょう?th (θ)の部分は、適当に息を吐いているとしか聞こえませんよね。でもルーシーはしっかりと発音しているのです。
このth (θ)を日本人は無視するせいでBathが「バ」にしか聞こえないという事態になります。これなどは映画の聞き取りを難しくしている一因です。
th(θ)でも、ルーシーのようにしっかり発音してくれている間は良いのです。なんとか脳内カタカナ変換ができます。しかし、ちょっと適当に話されただけでもう脳内カタカナ変換に支障をきたしてしまいます。
日常会話においても、ネイティブがあなたに対してはっきりと発音してくれる間は情報量も多く、脳内カタカナ変換が上手くいって会話が成立するのですが、ネイティブ同士の会話ではぞんざいに発音するのでもう会話についていけなくなります。
しかし、ぞんざいに発音していると言っても、ポイントは抑えているのです。でなければネイティブ同士でも聞き取れるはずはありません。
今説明したθがいい例です。日本人にはこれが息を吐いているだけで、何かを発音しているようにはおもえません。だからθの発音を聞くと、日本人はそれを雑音と認識し、モゴモゴ言っているように聞こえてしまい、無意識にθの音を排除して聞いてしまうのです。
ネイティブはぞんざいに喋っていても要所となる部分のθはちゃんと発音します。ただちょっと弱く発音するだけです。しかし日本人はそれを雑音と認識してしまって、まるで受信の悪いラジオを聞いているような感覚になり、何を言っているかわからなくなってしまうのです。
なんかウーウー唸っていて聞き取りづらいな、と思ったら実はそのウーウーが立派でクリアな発音だった、なんてことがあります。
だから発音の基本ができていると、聞き取りが容易になるのです。
長年脳内カタカナ変換をしてしいると、それに慣れて変な癖がついてしまう。
恐ろしいのは、脳内カタカナ変換でも結構なところまで英語が上達する、と言うことです。
それは、多量に英語を聞き、一つ一つの単語のカタカナ変換法を覚えることで、既知の単語なら聞いただけで脳内カタカナ変換ができるようになっていくからです。
各々の単語に対してカタカナ変換データベースが脳内に出来上がってしまうわけです。
だから、冒頭で述べたように、CNNなど、綺麗ではっきりとした英語なら、良くも悪くも、聞き取れるようになってしまいます。
スピーキングにしても、日本人慣れしたネイティブならば、こちらがカタカナ英語で話しても意外とわかってもらえます(外国人と話したことがない田舎のお年寄りなどは別です)。
だから「脳内カタカナ変換できるからいいや」となってしまうのですが、これが問題です。
この状態で何年も英語を勉強すると、変に脳内カタカナ変換が上手くなり、それに固執してしまうようになってしまいます。
こうなると、いつまで経っても綺麗な英語しか聞き取れないという状態になってしまうのです。
さらにいうと、未知の単語に出会った場合、脳内のカタカナ変換データベースにないので、もうお手上げ、となってしまいます。
このカタカナ変換癖は英語歴が長ければ長いほど修正が難しくなってしまいます。だから、0から英語を勉強する場合にまずやることは発音なのです。
まずは発音記号を勉強すべき
さて、ここまでで発音の重要性がお分かりいただけたら良いのですが。
では、発音の何から勉強したらよいのでしょう。
まず、発音記号を全て覚えるべきです。
発音記号は日本語の平仮名やカタカナに相当します。日本語を勉強している人がひらがなの発音を知らないとしたら、おかしいですよね。
例えば誰かが「アノマロカリス」と言ったら、初めて聞いた言葉でも頭の中で「アノマロカリス」ってカタカナが思い浮かびますよね。
日本語を勉強している人が、脳内でカタカナを思い描けなかったらどうでしょう。いくらリスニングを頑張ってもいつまで経っても上達しないのではないでしょうか。
英語でもこれができなければおかしいと思いませんか?
だからまず発音記号をマスターするのが重要なんです。
例えば、あなたがはじめて squirrel という単語を聞いたらどうしますか?試しにルーシーに発音してもらいます。

Squirrelと言っています。
「スク、、何?」とならずに「skwə’ːrəl」を頭に描けるようにならなければなりません。ちなみに私、ゆずピザが発声しても、日本人訛りはありますが、発音記号通りに発音すればSiriにもわかってもらえます。
発音記号をマスターし、慣れてくると、始めて聞いた単語でも脳内で発音記号に変換できるようになります。そうなると、スペルも推測できるようになり、初めて聞いた単語でも辞書で調べられるようになります。
発音記号を学ぶためのおすすめの方法
発音記号を覚えるのがリスニングに大事なのはわかった。ではどうやって勉強したら良いのでしょう。
そんな疑問にお答えします。
私が英語の勉強を始めた頃はまだネットも普及しておらず、本とカセットテープを日本から取り寄せて勉強しましたが、今は色々あります。お金をかけなくてもいろいろなことができます。
ネットで「発音記号」と調べるだけでもいろいろと出てきます。各発音記号について詳しく音声付きで紹介されているサイトもあるので自分で調べてみてください。
Youtubeでも、「発音記号」と検索するだけで色々と出てきます。自分の気に入った動画を見つけてみてください。
iPhoneユーザーなら、「英語発音トレーニング」というアプリがある
iPhoneをお持ちなら、「英語発音トレーニング」というアプリがあり、これがなんとタダです。本当にいい時代になりましたね。
このアプリは毎日1つの発音記号のトレーニングができるようになっており、56日で完了します。例えば1日目をタップするとæの練習です。Apple のAですね。
まず、æを含む例文が3つスピーカーから流れます。それから画面に出てくる例文通りに発声し、あなたの発音を判定してくれます。
発音記号を一つ一つ学ぶのに最適なアプリです。
短所としては、発声の仕方や図解がないことですね。各発音記号は、スピーカーから聞こえるのですが、それをどのように発声させるのかの図解がありません。
「ポイント」と称して簡単な説明はあるのですが、始めて学ぶ人にとっては不十分です。ここら辺は、ネットで調べたり、Youtubeなどで不足した説明を補う必要があるでしょう。
もう一つ短所をあげると、発音練習の判定がゆるいことです。
このアプリは録音機能が付いていて、あなたの発音を判定してくれるのですが、それがちょっと甘く、間違った発音でも合格判定が出てしまいます。
HappyをわざとHuppyと発生してみたのですが、合格してしまいました。
このように短所もありますが、タダだし、発音記号の基礎が学べるのでおすすめです。
発音は初心者のうちにやらないと、変な癖がついてしまう
私は渡米前に数年間英語を勉強していたのですが、発音はおろそかにしていました。
発音の基礎をろくに学ばないでいきなりラジオ英会話を聞いたり、ネイティブの講師と会話の練習をしていました。
なので、ラジオ英会話やTOEFLの英語なら聞き取りが多少できるようになっていました。だから、ある程度は自信をもって渡米したのです。
しかし今思うと、その2年の間に「脳内カタカナ変換」がうまくなってしまっていたのです。
なので現地へ行ってすぐに愕然としました。ネイティブ同士の会話が聞き取れないのです。日本にいたころは講師が手加減してくれていたのだ、ということがよくわかりました。
こりゃ、いかん、と思い、慌てて日本にいる両親に「英語の発音のよくなる本」とカセットテープを送ってもらいました。
ところがこの時点でもう2年も脳内カタカナ変換でしのいでしまっています。
カタカナ変換の癖を直すのには相当時間をかけてしまいました。いまでも完璧ではありません。
だからこそ、いま、0から英語の学習を始めようとしている方には私と同じ過ちを犯してほしくないのです。
発音記号をマスターしてもまだ完璧ではない
残念ながら発音記号を全てマスターしてもリスニングが完璧にできるわけではありません。映画などは依然モゴモゴと聞こえることでしょう。
これは、リエゾンと言って、単語同士が繋がってきこえたり、あるいは音の脱落、音の同化など、ネイティブが早口で喋ると色々音の変化が起こるからです。
「有難うございます」、が「あざ〜す」になるのと同じですね。
しかし、「有難うございます」が聞き取れないうちに「あざ〜す」を学ぶのは間違っていますよね。
それにですね、しっかりとした発音を学んで、自分で話すことができるようになると、いままで見えなかったものが見えてくるものです。
しっかりした発音を自分で早口にしてみるとあら不思議、自然と誰からも教わることなくリエゾンしたり、脱落したり、音が同化したりします。
そうなってくると、「あぁ、だからネイティブは急いで喋るとあんな風になるんだ」と納得し、ネイティブのぞんざいな発音にも納得します。こういった方向からもリスニングができるようになったりします。
日本語でも「有難うございます」を早口で言うと、誰から教わるでもなく自然と「あざ〜す」になりますよね。それと同じです。
だから、発音記号をまず第一に学ぶことが大事です。
外国人として「あざ〜す」を論理的に学ぶのはいいことだと思いますが、まずは「有難うございます」を聞き取れるようになってからです。
最後までお読みいただき有難うございます。コメントを残していただけると作者がよろこびます。
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