今回の記事ではTOEICの有用性を確かめるために英語のネイティブスピーカーであるルーシーにTOEICを受けてもらいました。結果は満点、990点でした。彼女の点数からTOEICは意味のない試験なのかを考察します。
彼女のスコアシートまで読み飛ばしたい方はこちらへGo。
なお、13年間アメリカでエンジニアとして働いた私のTOEICの点数の記事もあります。

TOEICは意味ないのか
世の中には、TOEICは意味ないと考える人がいるようです。TOEICでは英語力は計れない、と。
TOEICが高得点でも話せない、聞けない、書けない、読めない人は沢山いるといいます。
実際、英語力とは直接関係ない、試験用のテクニックなどもあるようです。テクニックを使えば、ある程度実力以上の点数を取れるケースがあるのかもしれませんね。
では、それをもってTOEICは無意味と結論づけるべきなのでしょうか。TOEICは英語力を測る物差しとして機能していないのでしょうか。つまり、TOEICと英語力は全く無関係で意味ないものなのでしょうか。
TOEICが意味ないとは?高得点取得にはテクニックが必要か?
まず、TOEICの点数と英語力が無関係という意味を考えてみます。
TOEICが意味なしと考えている人でも流石に220点だけど英語がペラペラ、逆に990点なのにThis is a penもわからない、などと思う人はいないでしょう。
ある程度の点数は取れると考えているはずです。
要は、ある程度の得点になると、それ以上は受験テクニックで、TOEICは意味がなくなるのでは、という疑念でしょう。
確かに、受験テクニックを駆使して高得点を取る人もいるかもしれないので、例えば990点でも、実際の英語力はそれよりも低いというケースはあるのかもしれません。
さらに実際に点数は高いのに話せない人に出会って、TOEICは意味ないのでは、と考えてしまうのかもしれません。
つまりTOEICが高得点でも、英語力があるとは限らない。だからTOEICは意味がない、という理屈でしょう。
では、逆はどうでしょう?英語力はあってもTOEIC用の学習なしでは高得点は取れないのでしょうか。
英語力があってもTOEIC用の勉強をしなければ高得点はとれないのか?ネイティブが受験したら?
TOEICは意味ないと考えている人は、英語力とTOEICの点数はある程度別で、高得点を取るには英語力と直接関係のないテクニック、それに試験慣れが必要と思っているのでしょう。
所謂、ひっかけ問題などがあり、現実の会話とかけ離れた出題がなされていて、英語力があっても、テクニックを知らないばかりに、高得点を取ることはできないと。
では、英語力は確実にある。しかし、受験テクニックは全く知らない人が受けたら、高得点は取れないのでしょうか。
これを確かめるためには英語力はあるが、TOEICの勉強をしたことがない、受験テクニックも知らない人に受けてもらうのがよいでしょう。
つまり、TOEICのTの字も知らないネイティブに受けてもらって、高得点が取れるか確かめるのです。できれば英語の文法などもあまり詳しくない人が理想でしょう。

TOEIC未経験のネイティブに受験してもらった

そこで、生粋のアメリカ人、ルーシーにTOEICを受けてもらいました。もちろん彼女はTOEICの受験テクニックなど知りません。
しかしネイティブなので英語力はあります。もしTOEICの点数は英語力と無関係で、受験特有のテクニックが必要というならば、高得点は取れないはずです。
公開!ルーシー(ネイティブ)のTOEICの点数
2020年9月12日、コロナ禍の真っ只中、ルーシーにTOEICを受けてもらいました。さて、その結果は?
最高点、990点でした!
まずはスコアシートをご覧ください。

ルーシーのスコアシート
ルーシーはTOEIC受験は初めてです。試験勉強も全くしていません。しかし、満点を取りました。
本当に英語力があれば、受験テクニックを知らなくてもTOEICは高得点を取れるのです。
TOEICの高得点者が英語力があるとは限らないのかもしれません。しかし逆に、英語力があればTOEICで高得点は取れるということです。
英語力はあるのにTOEIC用の受験テクニックを知らないので高得点が取れない、というのはないと考えて良いでしょう。
その意味で、TOEICはやはり意味のある試験だといえます。

ルーシー(ネイティブ)のTOEIC点数の内訳
ルーシーの点数の内訳を見ていきます。
リスニング

リスニングは全て満点です。
ルーシー曰く、

確かに似たような発音の単語が出る選択肢はあったけど、嫌味なひっかけ問題とは感じなかった。非常に素直な出題だったわ。
とのことで、特に受験テクニックが必要だとは思わなかったようです。

リスニングでは、設問は先読みしたの?

各項目の最初の設問は先読みしたわ。後は、回答時間が短かったから先読みできなかった。
リーディング
続いてリーディング。リスニングと違い、満点は取れませんでした。以下ルーシーの得点の内訳です。

リーディングセクション内訳
- 文章の中の情報をもとに推測できる: 96%
- 文章の中の具体的な情報を見つけて理解できる: 94%
- 一つの文書の中で、または複数の文書間で散りばめられた情報を関連づけることができる: 100%
- 語彙が理解できる: 100%
- 文法が理解できる: 100%

さすがネイティブだね。何かひっかけのような問題はあった?

いえ、素直な問題ばかりだったわよ。数問、あれ?というようなのはあったけど。

解き方は?何か特別な読み方をした?

いいえ、端から端まで普通に読んで、それから問題を解き始めたわ。時間がたっぷりあったので、20分も余っちゃった。
ルーシーは受験テクニックのようなものは全く使わず、素直に問題を解いたようです。。
パート7で2、3問、よくわからなかった問題があったようですが、その他はほぼ100%自信を持って回答したということです。ひっかけや、嫌味な問題はなかったということです。
文法が満点
興味深いことに、「文法が理解できる」の項目が満点です。
ルーシーはあまり文法の知識はありません。問題は直感で解いています。
少なくとも、ある程度の教育を受けた(語学の教育という意味ではなく、一般的な教育)ネイティブならTOEICに出題される程度の文法問題は直感で解けるようです。
ここでも、テクニックが必要な、英語オタクしか解けないようなものは出題されていないということなのでしょう。

TOEICを受験したネイティブ(ルーシー)のスペック。
このようにルーシーはTOEIC初受験でいきなり最高点である990点を叩き出してしまったわけです。
確かにTOEICは初受験かも知れないけど、英語に対する知見があったのではないか、だからTOEIC用のテクニックを知らなくてもある程度試験のコツを掴めたのでは、と考える人もかも知れませんね。
しかし、そんなことはありません。受験してもらったルーシーですが、今回の検証にはうってつけでした。英語力はあるが、受験テクニックなどは全く知らない状態です。
以下が、今回受験してもらったネイティブスピーカー、ルーシーのスペックです。
ルーシーのスペック
- 生まれも育ちもアメリカ、41歳
- 4年制大学卒、専攻は金融
- 投資顧問系の会社でマネージャーを務めている
- クライアントとの会話、メールなど、ある程度丁寧な英語が必要な環境
- 小説が好きで、Twilightや、Fifty Shades of Grey とか読んでいる
スペックを見て分かるように、英語力は平均的なアメリカ人よりは多少上かも知れません。
しかし受験テクニックは知らないし、英語を専攻したわけでもありません。TOEICの受験テクニックなど知る由もありません。
語学への興味は全くなし
ルーシーは語学への興味は全くありません。英語は生きていくためのただの道具です。普通の日本人が日本語に興味がないのと同じです。
いわゆる文法の知識はほとんどないと言って良いです。受験テクニックうんぬん以前に、ルーシーは英文法を体系づけて理解していません。
日本人が日本語の文法を意識しないのと同じことです。
私はルーシーに文法の質問をすることがあるのですが、論理的に説明してくれることがほとんどありません。
例えば、彼女は品詞の区別がわからない。名詞、動詞くらいはわかりますが、形容詞、副詞あたりはあいまいです。
あるいは、過去形と過去完了形の違いがあいまいです。私が違いを説明すると、「そういえばそうね」などと納得したりしてます。
このようにルーシーは文法の知識が曖昧です。
しかし、だからこそ、TOEICが真に英語力を測る指標になるかのよいサンプルになったと思います。
もし、彼女が文法の項目で高得点を取れなかったなら、TOEICの問題は、普通に教育を受けたネイティブでも間違える重箱の角を突くような、意味のない出題をしていることになったでしょう。
しかし、ルーシーは文法の項目で100%です。TOEICの文法問題は、教育を受けたネイティブなら簡単に解ける、素直な問題と考えて良いでしょう。
試験対策全くなし。
ルーシーは私がこの企画を持ち出すまで、TOEICの存在を知りませんでした。まさに、TOEICってなに?それ美味しいの?状態でした。
普通のネイティブはTOEICなんて試験は知りません。
試験対策といえば、マークシート形式であること、リスニングとリーディングのセクションがある事など極々基本的な事項を試験前日に10分ほど私が説明したのみです。
それでも満点の990点をたたきだしました。
真に英語力があればテクニックは要らないのです。
やはり、TOEICは英語力を計る指標として意味ない、とはいえないでしょう。
TOEICを受験したネイティブ(ルーシー)の感想
ルーシーに受験後、TOEICに対する感想を聞きました。
ルーシーのTOEICへの感想
- リスニングでは特に奇をてらった表現は無し。どれも実践的。ネイティブなら皆知っている表現ばかり。
- 発音がすごく綺麗でクリヤ。実際には皆もっと早口で、モゴモゴしゃべる。
- リーディングでは、出てくる表現や英文にはちょっと古風な表現が少しあったが、ほとんどは日常よく使う、非常に実践的なものである。
- リーディングのセクションは時間がありすぎ。20分ほど余らせてしまった。
ルーシーにとってTOEICはとても簡単な試験だったようです。実践ではもっと早口で、不明瞭な英語が飛び交うということで、TOEICが満点でもネイティブ並みに英語力があるとは限らないといえますね。

結論
以上のように、英語力はある、しかし受験テクニックは知らないネイティブであるルーシーはTOEIC初受験かつ試験勉強なしで最高点のの990点を叩き出しました。
真に英語力があれば、試験対策を行わなくても、テクニックがなくとも、高得点は取れます。
本当に英語力のみ、受験テクニックなしで、990点は取れるということを証明したと思います。
TOEIC高得点の人すべてが英語力があるのかは今回の検証ではわかりません。しかし逆に、真に英語力があれば、TOEICでは高得点が取れるとはいえそうです。
その意味でTOEICは完全ではないにしろ、英語力を計る一つの指標だといえます。TOEICは意味がない、ということはないです。
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